受け入れ先期間名:JICAモロッコ事務所

期間:2011年8月30日(火)~9月27日(水)

○モロッコ事務所について

モロッコ事務所は、アフリカ、特にフランス語圏アフリカ諸国の中では大きな事務所で有償資金協力、無償資金協力、ボランティア事業の3つの援助スキームにより様々な分野における日本のODAプロジェクトの実施管理を行っています。特に、インフラや水分野での有償資金協力が多いことや日本が資金提供を行いモロッコがサブサハラの仏語圏アフリカ諸国を支援する第三国研修を重視していることが特徴です。私は、主に事務所内でボランティア事業の補佐をしながら職員やボランティア調整員の方の出張に同行しました。

○仕事について

・事務所内で仕事

事務所内では主に青年海外協力隊の方々が活動されている現地の女性団体で作られた民芸品や各地域の特産品から作られる化粧品や食料品を事務所への訪問者に紹介し、販売を促進していくためのカタログの作成を担当していました。ボランティア調整員の方にお話を伺いながら構成を考え、読者の方に現場の様子が存分に伝わる様、無理を承知の上で協力隊員の方々に赴任地と女性団体、民芸品や特産品の紹介ページの作成を依頼しました。また、カタログ作成をするにあたっての経緯やモロッコにおけるJICAの取り組みも合わせて伝えることができる様所員の方の力をお借りし、序文の作成にも取り組みました。今後もインターンがこのカタログ作成を引き継ぎ、定期的に改定作業を行っていく予定です。加えて、大学院での研究を進めていく機会も頂き、情報提供を依頼する仏文のオフィシャルレターを作成しました。現地職員の指導の下、県の教育局長宛ての依頼文と質問票をまとめ、次長、所長の許可を得て送付しました。その他、東京のJICA本部や世界各地の事務所から送られてくる公電の印刷を毎日担当し、JICAの事業や各地の情勢、国際会議の内容等国際協力全般の知識を得ることができました。

・事務所外での業務

インターン期間中ボランティア調整員と職員の出張に2回、外回りに1回同行しました。まず、ボランティア調整員の方の出張では政情不安で他国から振替派遣となりモロッコに赴任される青年海外協力隊員の配属のための県庁や教育・保健局へのあいさつ、活動中の隊員の状況確認と活動調整のための現地の病院や小学校の訪問に同行しました。私もインターン生として紹介して頂き、県レベルの教育や医療開発担当官とお話をする機会に恵まれました。続いて、職員の方の出張では本邦研修のフォローアップ事業の視察と農業分野のプロジェクトのパイロット地策定のための聞き取り調査に同行しました。私は主に写真撮影を担当しました。最後に職員の方の外回りでは地方道路の補修に関する第三国研修を視察しました。職員の方に基礎知識、現地職員の方に視察の注意点を伺い授業の運営状況を確認しました。
○学んだこと・今後の目標
今回のインターンシップは、国際協力の実務を始めて体験することができその魅力を改めて実感する事ができたと共に将来に向けての課題を発見する非常に良い機会となりました。中でも出張時に感想を聞かれることが多く、職員の方からの回答を通じてどのような点に注意して実施中のプロジェクトを評価したら良いのか、また、プロジェクトの実施にあたって何が重視されるのかを学ぶことができました。この経験を生かし、教育開発に関する自分の能力をさらに高めていくことはもちろん、様々な分野に関心を持ち各分野の基礎知識を学ぶこと、加えてプロジェクト形成等国際協力の基盤となる知識も増やしていきたいです。

仕事以外ではホームスティをする機会に恵まれ、モロッコの文化を知り、現地の細かな事情や自分自身の仕事、自分が出張で視察したプロジェクトについての意見を聞くことができました。特に私が教育やジェンダーの問題について事前に調べてきた事を話すとさらに詳しい話や文献では知ることのできない事情を説明してくれたこと、毎日一緒に過ごすことで私の仕事やJICAの活動について興味を持ち、質問してきてくれるようになったことはインターン中の励みになりました。イスラム文化の中で過ごした1カ月間は何にも代えがたい思い出となりました。

今後はまず修士論文の執筆に向け統計データーの活用方法を学び、参考文献を読み込むことで専門性を高めていきたいです。そして、総合的な英語力、フランス語力の獲得に向けて日々努力を重ねると共に学会等を通じて多くの方と出会うことでコミュニケーション能力を磨き国際協力の実務に必要なスキルの獲得を目指します。

最後にこのような大変貴重な機会を頂いたJICAモロッコ事務所の皆さま本当にありがとうございました。また、インターンの開始にあたりご支援を頂いた国際協力人材部総合研修センター人材養成課の方々にも大変感謝致します。