有村(野村)美穂氏からのメッセージ

はじめまして。2007年博士課程前期修了生の有村(野村)美穂と申します。このたび、将来の小川ゼミ生に向けてのメッセージを書かせていただくことになりました。私の経験は限られたものではありますが、少しでも何かお役に立てれば幸いです。

私は学部から直接大学院の博士課程前期に進学しましたが、小川先生との出会いは、大学4年生のときのGSICSのオリエンテーションでした。当時、アメリカでの交換留学から帰国したばかりで、中学生からの夢である「国連で働きたい」という夢をかなえるために、日本の大学院に進むべきか、海外に出るべきか迷っていました。そんなときにオリエンテーションで小川先生のお話を伺い、まさに「この先生の下で学べば、きっと私は国連で働ける!」という、根拠のない自信がふつふつと沸き、GSICSの受験を決心しました。今思えば、このときの根拠のない自信、直感を信じたことが運命の分かれ目だったのでは、なんて思ってしまうこともあります。

GSICSに入学して、専門知識の習得に力を入れる傍ら、小川先生のもとでJICAプロジェクトやその他のイベントのアシスタントとしてかかわらせていただく機会をいただき、そして博士課程前期の2年間を通して念願の国際機関、ユネスコやユニセフでのインターンシップも経験させていただきました。さらにその経験を通して、国際学の修士号取得後はユニセフや世界銀行でのキャリアにつなげていくことができました。

国際機関で働くためには即戦力が問われますが、知識やスキルはもちろんのこと、何よりも社会経験のないことが一番のネックだった私にとっては、学生という立場でありながら実際の教育プロジェクトにかかわれたこと、インターンとして現場での業務に携われたことは、非常に大きな経験となりました。

小川ゼミの魅力はなんといっても、先生が常に応援してくださることと、そして沢山の機会があることです。様々な機会に恵まれて、逆に「私にはこんなことできるのだろうか」「学業との両立なんてできるだろうか」と不安に思うこともあるかもしれませんが、ここは、まさに小川先生のおっしゃる、”Be proactive!”の精神で、まずは自分の出せるだけのことを全て出し切ってやってみること。そして、もしつまずくことがあったら、そこを学びに変えて、自分なりの調整や方向転換をすること。そんな、開発業界だけでなく、人生を歩んでいく上でのエッセンスも学ばせていただきました。

私自身も、知識や経験の少なさから、様々な不安や悩みがありましたが、そのたびに、先生や、実際に現場で活躍されているたくさんの先輩方に励まされて一歩ずつ前に進むことが出来ました。小川ゼミでは様々な機会がありますが、いただいた機会を、どのように生かしてキャリアにつなげていくかは、自分次第。

私は現在、開発でのキャリアはお休みして二人の小さな子供の育児に専念していますが、卒業してもなお、小川先生は公私共に励ましてくださり、そのたびに私は社会復帰への希望を見出すことが出来ています。卒業してもいつでも「ホーム」な気持ちにさせてくださるのは、まさに小川ゼミファミリーのなせる業だと思います。

皆さんが、小川ゼミでの様々な機会をいかして、自分の出来ること、やりたいことを見つけていかれますように、そして人生のすばらしいエッセンスを習得されますように!

元ユニセフ教育エコノミスト、世界銀行コンサルタント
有村(野村) 美穂

小川教授のコメント:
有村(野村)さんは、子育て中の2013年に国連JPOに合格。ドイツのボンに本部のあるUNVに就職が決まりましたが、有村さんのhusbandである野村くんが世銀本部(ワシントンDC)で活躍中なので、このオファーを断られました。子育てが終わったら、開発の分野で活躍をされるのを期待しています。