開発運営政策セミナー「ポスト2015に向けた国際教育協力-政府とNGOの観点から-」

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2014年6月25日(水)、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室にて、開発運営政策セミナー「ポスト2015に向けた国際教育協力-政府とNGOの観点から-」が、本研究科の主催で開催されました。本セミナーでは、講師としてウガンダ総理府(Office of the Prime Minister: OPM)局長で本研究科の修了生であるビャムギシャ・アルバート氏、FHI360上級政策アドバイザーで、現在はメリーランド大学の客員教授も務められるギンスバーグ・マーク博士の二人をお迎えし、開発途上国の政府機関や国際NGOからの多くの教育開発の専門家が集いました。

セミナーではまず、ビャムギシャ博士が「ポスト2015に向けた教育開発-より良い実証結果とより良い成果-」と題した発表を行いました。ビャムギシャ博士は冒頭、実証結果に基づき意思決定を行う過程を組み込んだ、典型的な政策・プログラムのライフ・サイクルを示した上で、実証結果と無関係に意思決定を左右しうる他の要因の存在についても触れました。そして、実証結果を活用する際に問題となっている事柄として、より積極的な専門家支援や、解決策立案まで結びつける取り組みの必要性等を指摘しました。さらに、より良い実証結果がより良い成果につながった成功事例の一つとして、OPMによるウガンダの貧困削減行動計画の評価を挙げ、最後にキャパシティ・ギャップをいかに埋めるかといったポスト2015における課題の提起を行いました。

続いて、ギンスバーグ博士が「国際財政支援-過去の未達成公約とポスト2015の目標喪失-」について、発表を行いました。ギンスバーグ博士はまず、万人のための教育(Education for All: EFA)の達成にむけ、国際社会が繰り返し行ってきた財政的コミットメントに関する公約を概観した上で、個人や家計、政府、国際機関、民間セクターといった異なるアクター間における、教育支出の統計的変化の傾向を比較しました。その上で、多くの努力がなされてきた一方、公約通りのコミットメントがドナーの中に見られない現実や、民間セクターによるEFAにむけた貢献の可能性と限界について言及しました。最後に、財政支援の明確な目標の設定や、革新的な資金調達手法の導入について、提言を行いました。

二つの発表後、アフガニスタン教育省上席研究指導主事のアビッド・アブダルシュクール氏と、ラオス教育スポーツ省財務局主任のフェスリン・ノラシン氏が、討論者として、本セミナーテーマに関連したそれぞれの母国における事例を共有しました。アビッド氏は内戦が終了した2001年以降のアフガニスタンの教育開発の目覚ましい成果と、ポスト・2015における残された課題について述べました。フェスリン氏も、多民族国家ラオスにおける教育開発経験と共に、自国のポスト・2015における教育開発アジェンダについて言及しました。

多くの示唆に富んだ発表や続いて行われた討論者とのディスカッションを受け、質疑応答の時間には、多くの若手研究者を含む参加者から質問が相次ぎました。本セミナーは政府とNGOの両方からの第一線の専門家による見解を聞き、ポスト2015における国際教育協力に対する知見を深めることができる貴重な機会となりました。

(文責:神戸大学国際協力研究科博士課程後期 坂上 勝基

関連リンク:

http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2014_06_25_03.html
http://gsics-ogawa.com/?p=1180
http://www.fhi360.org/experts/mark-ginsburg-phd

 

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