飯村洸介氏からのメッセージ

2010年3月に小川ゼミを修了した、飯村洸介です。GSICSでは経済学を専攻し、教育開発と経済学及び統計学を学びました。当時の研究テーマは、インドネシアにおける高等教育とアクセスの不平等です。その他、GSICSでの2年間の間に、海外実習(イエメン、アメリカ等)、インターンシップ(JICA本部、インドネシアでのJICAプロジェクト等)、学会での論文発表(アメリカ、東京、神戸等)と多様な経験を積ませて頂きました。修了後は途上国でのICTの普及とその開発へのインパクトに惹かれて、グローバル展開している日本のICT企業に就職し、現在5年目となります。

GSICS時代は、教育開発と統計分析を中心に理論を学び、海外実習やインターンシップを通して、開発援助の実践場を体験させて頂きました。小川ゼミには世界銀行を始めとする開発援助機関やその他国際協力の現場で勤務されている先輩方も多く、また先生のネットワークにより色々な開発援助機関の方をGSICSに招待して下さるなど、他の大学やゼミには無い、多くの経験やチャンスがあります。当時は全てが新鮮で自分では随分と活動の幅を広げたつもりでいましたが、今思い返せば、まだまだ出来る(活用させて頂く)ことはたくさんあったな、という気がしています。今ゼミにいらっしゃる皆様のことを羨ましく思うと同時に、自分の目標に向かって、戦略的に、少しでも多くの経験を積んでいって欲しいと素直に思います。味わい深い先輩方や留学生を含むゼミ生と一緒に、ゼミを全て英語で行い、英語の修士論文で経済学修士を取得できるのは、小川ゼミだけです。大変有り難く貴重な経験でした。また私の場合は、修士課程2年目にシカゴで行った学会発表の際に、アメリカのある大学の方にジャーナルに載せないか、とお声がけを頂きました。小さなジャーナルでしたが、小川先生のお名前も拝借して(卒業祝いと先生には言われました)海外ジャーナルに論文掲載できたのが良い思い出です。

GSICSの2年間で多少なりとも国内外の官民の組織を見るチャンスを頂き、結果として今は民間企業で勤務しています。インクルーシブビジネスやPPPのように国際援助機関が民間企業の活用機会を増加させるのと同時に、民間企業側もグローバル戦略において新興国・途上国へとターゲットを拡大しています。私が勤務する会社もグローバルビジネスを拡大しており、その一端として私は途上国政府向けシステムのODA案件を担当しています。そこでもJICA、世界銀行等が大きく関係しており、思わぬところからGSICSの経験が生きてくることがたくさんあります。また国際協力の世界は狭いので、今の仕事を発展させていくことができれば、GSICS時代に関係した色々な現場の人と繋がることがありそうだと思っています。その中で、今小川ゼミにいらっしゃる皆様を含め、小川ゼミファミリーともいつか仕事で繋がる、現場でお会いする機会があれば、とても素敵なことだなと思っています。GSCISでの2年間は本当に短い期間ですが、皆様が小川ゼミの中で最大限収穫を得て、多方面でご活躍されることを祈っております。

メーカー勤務
飯村洸介