ワシントンDCでの海外実習報告(吉井 翔子)

2015年3月7日~20日までの2週間、ワシントンDCでの海外実習に参加させていただきました。海外実習の前半は国際学会へ参加し、個人での口頭発表を行いました。後半は、世界銀行を中心に、小川ゼミの卒業生を含めた様々な専門家の方にお話を伺い、自身の研究とキャリアについての視野を広げました。以下、それぞれの活動についてご報告させていただきます。

実習の前半である3月8日~13日に、ワシントンDCで開催された比較国際教育学会(Comparative and International Education Society: CIES)の国際大会に参加しました。私は、インドネシアの公立学校で行われている宗教教育に関心があったため、「A special panel on current issue on Indonesian education: Teacher certification, distance learning and narrative of success for rural youth」と題したインドネシアの教育問題についての特設パネルセッションと、宗教と教育の関係について議論する「Religion and Education」の二つのセッションに参加し、インドネシアの教育制度や政策、宗教教育の影響など、幅広い視野からの研究報告を聞きました。宗教教育一つとっても、様々な視点から研究をされている方が多く、自身の研究を洗練させる上でとても有意義な情報ばかりで、大変勉強になりました。さらに、自身の研究発表の場では、私と同じ研究テーマを掲げるインドネシア人の研究者の方と出会い、研究に関して貴重なご意見をいただき、研究に対するモチベーションの向上にも繋がりました。

Yoshii2実習の後半では、主に世界銀行本部で働いていらっしゃる方々を訪問し、キャリア形成や研究に関して様々なアドバイスをいただきました。私はインドネシアの公立学校に関する研究を行っているため、インドネシアの教育に関する調査報告について伺いました。世界銀行の教育チームのリード・エコノミストであり、インドネシアの公立小学校で調査をされていた経験をお持ちのHalsey Rogers博士へのインタビューでは、インドネシアの教師に関する調査について詳細なご報告をいただき、インドネシアの教育問題について議論を深めることができました。さらに、キャリア形成に関しては、女性ならではの国際機関での働き方や悩みなどについて、宮島智美博士からとても有意義なアドバイスをいただきました。

今回の海外実習を通して私は様々な方とお会いし、自身の人脈を広げることができました。さらに、自身の研究に関する有益な知見や貴重な情報を得られただけでなく、国際協力の道でのキャリアの歩み方についてもより具体的なイメージを持つことができました。

末筆になりますが、このような素晴らしい機会を与えてくださった指導教官の小川啓一教授、公私にわたり、手厚いご支援をくださった小川ゼミの先輩方、野村真作博士、荘所真理博士、田中伸幸博士、野村美穂氏に心から御礼申し上げたく思います。

博士課程前期課程1年
吉井 翔子