開発運営政策セミナー「ポスト2015のグローバル教育目標―優先事項、政策、政治性―」

2015年2月6日(金)に、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室にて、開発運営政策セミナー「ポスト2015のグローバル教育目標―優先事項、政策、政治性―」が開催されました。本セミナーには、講師として現在ユネスコ本部 EFAグローバル・モニタリング・レポートの局長をされているベナボット・アーロン博士をお迎えしました。

本セミナーではベナボット博士が、まず初めに、2000年の「ダカール『万人のための教育(Education For All: EFA)』アジェンダ」の実施状況ついて概観され、実証データを使って6つのEFA目標の達成状況について説明されました。また、EFA目標達成度が使用されている現在のモニタリング方法の長所と短所について、詳細な解説をされました。

続いてベナボット博士は、過去15年間にわたり国際援助機関や二国間援助機関が開発途上国の教育支援で用いてきたアプローチや、その成果及びトレンドについて説明されました。セミナーの最後にベナボット博士は、EFAグローバル・モニタリング・レポートにもとづいて、過去15年間に「ダカールEFAアジェンダ」が実施されてきた過程で明らかとなった課題を提示するとともに、「ポスト2015開発アジェンダ」における教育支援への提言をされました。

多くの示唆に富んだ興味深い発表に引き続いて行われた質疑応答の時間には、セミナーに参加していた研究者から、ポスト2015開発アジェンダにおける「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を取り巻く課題や「ミレニアム開発目標(MDGs)」とSDGsの統合、教育とSDGsの関係などについてより深く理解しようとする質問が多数投げかけられました。本セミナーは、特に2015年までのEFA目標の達成した成果や未達成の問題に関して客観的に整理ができ、「ポスト2015開発アジェンダ」における教育の役割を再認識する、大変貴重な機会となりました。

Dr.Aaron

(文責:研究生 孟曉東

関連リンク:
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2015_02_06_01.html