開発運営政策セミナー 「教育の質の評価―学習評価の国際的なエビデンス―」

2015年6月22日(月)、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室にて、開発運営政策セミナー、「教育の質の評価―学習評価の国際的なエビデンス―」が、本研究科開発運営論講座の主催で開催されました。本セミナーは、講師として、本研究科博士課程後期・前期課程修了生(小川研究室)であり、現在、世界銀行本部にて南アジアの教育を担当されている野村真作博士をお迎えしました。

DSC_0049セミナーでは野村氏がまず、教育の質の評価に関する新しいアプローチを紹介し、さらに教育制度のデザインや構築、教育課程などの様々な方面からの評価手段について具体的に説明されました。続いて、野村氏はバングラデシュにおける6年生から8年生の数学のテストスコアのデータを用いた分析結果に基づき、教師の指導方法、教育的アプローチ、時間配分、高度な知識と実践能力などの要因がどのように学生の成績に影響するかについて詳細な解説をされました。セミナーの最後に野村氏は、バングラデシュの教育改革における教育資源の非効率な利用や試験制度の不備などの諸問題を検討されました。

多くの示唆に富んだ興味深い発表に引き続いて行われた質疑応答の時間には、セミナーに参加していたJICA研修員(教育省官僚)や大学院生からたくさんの質問がでました。例えば、教育課程のデザイン・実施や教育制度の制約といった教育セクターの諸問題がどのように教育の質に影響するかについてより深く理解しようとする質問が多数投げかけられました。本セミナーは、特に開発途上国における、基礎教育の質のアセスメントに関する知識を広げ深める、大変貴重な機会となりました。

(文責:博士前期課程1年 孟曉東

関連リンク:
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2015_06_22_01.html
https://jp.gsics-ogawa.com/archives/1060
http://www.worldbank.org/