国際通貨基金本部の宮島研エコノミストによるセミナーが開催されました

2015年8月21日(金)、神戸大学大学院国際協力研究科棟4階プレゼンテーションルームにて、開発運営政策セミナー、「新興国の金融安定化促進に果たす国際通貨基金の役割」が、本研究科開発運営論講座の主催で開催されました。本セミナーは、講師として、現在、国際通貨基金(International Monetary Fund: IMF)本部にてエコノミストを担当されている宮島研博士をお迎えしました。

今回のセミナーで宮島博士は、IMFと国際決済銀行(Bank for International Settlements: BIS)の役割についての講演をされました。講演の前半部で宮島博士は、最近の国際金融情勢の中でIMFが果たしている役割に関する見解を述べられ、後半部ではご自身が所属されたことがあるBISの創設・発展の経緯及び内部の枠組み等について詳細に紹介されました。後半部ではまず、BISが1930年1月、世界の主要国が出資し、その中央銀行をメンバーとする国際銀行として創設された経緯について触れられました。その上で、BISは主に中央銀行間の国際協力の要として活動している一方、中央銀行間の協力の促進、国際金融業務に対する便宜の供与、国際金融決済の受託・代理業務などその役割は多岐にわたること、各国の中央銀行からの預金の受け入れや為替の売買に加え、国際金融問題について各国の中央銀行が討論する場ともなっていることなどを説明されました。

また宮島博士はキャリアセミナーの時間も作られ、ご自身の職歴やIMF、BISでの勤務経験を共有された上で、履歴書作成の際の注意点や、国際機関が求める人材となるために必要な準備等について、具体的なアドバイスをしてくださいました。

多くの示唆に富んだ興味深い発表に引き続いて行われた質疑応答の時間には、セミナーに参加していた大学院生から、IMFが国際通貨システムの安定を維持し、危機の予防などに果たしている役割の中身についてより深く理解しようとする質問が多数投げかけられました。本セミナーは、IMFの業務の中身や職員採用のプロセス等について、最前線でご活躍中の専門官から直接聞くことのできる大変貴重な機会となりました。

(文責:博士課程前期課程1年 孟曉東

関連リンク:
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2015_08_21_03.html
http://www.imf.org/external/index.htm