ワシントンDCでの海外実習報告(楊阿麗)

8月6日から8月13日まで、小川啓一教授が米国ワシントンDCで実施された海外実習「国際援助機関の人的資源開発支援に関する調査」に参加した楊阿麗です。小川先生の海外実習に参加して沢山のことを学びましたので、この実習で学んだことを述べたいと思います。

まず初めに海外実習を通して、自分の専攻分野を明確にするということの重要性を再認識しました。GSICSを終了して、米州開発銀行本部にご勤務されている西江真理氏が、私の「どのように今の仕事に至ったのか」という問いに対して、「運がよかったから」とご返答されながらも「You should first establish your area of expertise」と強調されました。米州開発銀行本部には、エネルギー資源、交通運輸、水と衛生、ジェンダー、教育など、様々な分野があります。どの分野で仕事をしたいのか、まずは明確に把握しなければなりません。この点について、小川教授からは、「What can you do?」の問いに答えられますか、と極めて簡単な質問を受けました。私は残念ながら、この質問に答えられませんでした。これから、この質問に自信を持って、しっかり答えられるように頑張っていきたいと思います。

二つ目に人間関係の重要性です。世界銀行本部で教育スペシャリストとしてご活躍中で、GSICSでも非常勤講師としても夏季集中講義を担当された宮島智美博士が、「Having knowledge and skills is not enough to advance one’s career, networking is just as important.」とおっしゃいました。実は、今回の海外実習で小川教授が世界銀行、米州開発銀行、ジョージワシントン大学、米国国際開発庁、国際通貨基金、FHI360(国際NGO)のエキスパートの方々に直接お会いする貴重な機会を作ってくださいました。また、世界銀行本部に自由に入れるゲストパスもアレンジしてくださいました。小川教授を見ていて幅広いネットワークと人間関係を構築することの重要性をしみじみと感じました。今後積極的に自分のネットワークを国際レベルでも構築していきたいと思います。

IMG_1431私は、今年4月にGSICSの博士課程前期に入ったばかりということもありますが、前途の怪しさを思うと落ち込むばかりです。しかし、この海外実習を通して、沢山のアドバイスをいただきました。例えば、小川教授には、「Please have more confidence in your own abilities and use your experience from the field to grow your knowledge and skills in development studies.」、米州開発銀行本部の西江真理氏には「I understand the competition among Chinese students is fierce, so you need to differentiate yourself among the other students.」、FHI360のCasey Willson氏には「I strongly encourage you to consider applying for the Visiting Scholar Program at FHI360 next spring. 」と励ましていただきました。また、米州開発銀行本部でインターンシップをしているGSICSの先輩Cíntia Teruko Kawasakiさんにも「If you don’t know what you want, that is completely fine. It takes time to find out what each one of us wants to do. The important thing is to keep looking for it.」と励ましていただき、皆さんには大変感謝しております。この感謝の気持ちを自分が前進する力に転換し、実際に成果でお返ししようと心の中で誓いました。

最後に、世界銀行本部の宮島智美博士とMabruk Kabir氏が、「まだ修士課程の1年生で、世界銀行に来られるのは、なかなかできないではないことです」とおっしゃってくださいました。確かに自分にとって、夢のようなワシントンでの海外実習でした。小川教授の海外実習の講義を受講しなければ、全く実現できなかったことです。小川教授には米国入国のビザ取得でもご支援をいただき、実習中もいつもアドバイスをくださり、感謝しきれません。また、宮島智美博士、西江真理氏、Vinay Bhargava博士、James Williams教授、Casey Wilson氏、Jude Hui氏、Mabruk Kabir氏には、わざわざお時間を作ってくださり、セミナーをしてくださったり、私の質問に真摯にお答えいただき、心から感謝の意を表したいと思っております。

これから神戸に戻って事後研修がありますが、海外実習の研究報告書をしっかりと書き上げて発表会に臨みたいと思います。国際開発・国際協力の中心的な援助機関が集まる米国ワシントンDCで海外実習ができたことは、私の人生の転機になったような気がします。神戸に戻ってからもこれまで以上に研究に励んでいきたいと思います。

(文責:博士課程前期1年 楊阿麗)