ラオス教育スポーツ省におけるインターンシップ報告(野口 雅哉)

2018年9月10日から9月24日までの2週間、ラオス教育スポーツ省(以下、教育省)の計画局長、 Bounpanh Xaymountry博士の下でインターンシップを実施しました。以下その報告をさせていただきます。

私は教育省の計画局に配属され、ラオスにおける就学前教育与に関する調査のために、具体的に以下に挙げる3つの活動を行いました。1つ目は、教育省へ職員へのインタビュー調査などを通じた情報収集、2つ目は、幼稚園及び就学前クラスが設置されている小学校での質問票の配布・回収及びインタビュー調査の実施、3つ目は、教育省、日本の文部科学省、UNESCO、そして神戸大学の共同プロジェクトの調査に同行しました。

1つ目の活動として、教育省の計画局、就学前教育局、ビエンチャン市内のチャンタブリ地区及びシクタボン地区の教育局を訪問し、教育専門家の方々にインタビュー調査を行いました。専門家の方々からラオスにおける就学前教育への現状と課題や、世界銀行といった国際機関がラオスにおいて実施している支援形態について学ぶ事が出来ました。また、ユニセフによる家計調査や学校調査のデータを用いて計量的にラオスの現状についての分析も行いました。

2つ目の活動として、ビエンチャン市内の公立幼稚園1校と就学前教育を実施している小学校3校を訪問し、保護者を対象とした質問票調査及び教員へのインタビュー調査を行いました。質問票調査では、保護者と子どもの特性と先行研究に基づく教育への関与レベルの関連性の調査を目的として、質問票を合計で70枚ほど配布・回収しました。また、教員へのインタビューでは、学校がどのようにして保護者と連携しているのかについて質問しました。これらの質問票、インタビューを通じて、先行調査だけでは分からなかった現場の実態について知る事が出来ました。

3つ目の活動として、教育省、日本の文部科学省、UNESCO、神戸大学との共同事業にインターンとして同行の許可を教育省より頂き、リサーチアシスタントとして参加しました。このプロジェクトでは、首都ビエンチャン、ビエンチャン県、ボリカムサイ県の3つの地域の都市部と地方の公立校私立校一校ずつの計12校を訪問しました。訪問先では就学前教育での行財政運営に関して、村長、校長、保護者にインタビューを行いました。県や地域、学校形態によって、共通する課題と異なる課題が存在していたのは非常に興味深かったです。

本インターンシップは、二週間という短い期間ではありましたが教育省教育計画局の甚大な協力のもとで、ラオスにおける就学前教育の現状について理解する貴重な経験を積む事が出来ました。インターンを通じて得られた知見は、先行研究のみでは見えてこなかった物が多く、フィールドに赴く重要性を知る事も出来ました。

末筆になりますが、ラオス教育省でインターンシップを受け入れてくださった計画局長のDr. Bounpanh Xaymountry、現地で多大な支援を提供してくださった計画局職員の皆様、そしてこのような素晴らしい機会を提供してくださった指導教官の小川啓一教授、その他調査にご協力頂いた全ての方々にこの場をお借りして拝謝申し上げます。

文責:野口雅哉(博士課程前期課程1年)

  

関連リンク:インターンシップの写真