開発運営政策セミナー 「韓国の教育開発協力―持続可能な開発目標(SDGs)の達成に焦点を当て―」

2019年4月24日に忠南大学校教育学研究科副教授の朴桓甫(パク・ファンボ)博士と韓国教育開発院(KEDI)教育政策ネットワーク局長の尹鍾赫(ユン・ゾンヒョク)博士を講師としてお招きして、開発運営政策セミナー「韓国の教育開発協力―持続可能な開発目標(SDGs)の達成に焦点を当てて―」を、神戸大学大学院国際協力研究科棟大会議室にて開催しました。

本セミナーでは、現在、韓国教育開発院が行っている研究並びに韓国のODA政策についての発表が行われました。韓国教育開発院は1972年に韓国で初めて設立された教育研究所であり、教育政策に関する分析や海外の教育事情のホームページでの紹介といった活動を通じて、より良い教育の在り方を探求する研究機関です。現在、韓国教育開発院が行っている研究の一つである、SDGsを達成するための教育開発支援に関する研究が紹介されました。2017年より5年計画で行われているこの研究において、3年目にあたる今年は高等教育に焦点があてられ、オランダや日本、モンゴルのケーススタディーを通して目標達成に向けた戦略実施過程が述べられました。

セミナーの後半では、韓国のODA政策に関する方向性と課題が紹介されました。韓国は様々な開発途上国と戦略的パートナーシップを結んでおり、それぞれのパートナーシップには韓国政府の意向が強く反映されていることが述べられました。また、韓国のODA援助の課題として、パートナーシップを結んだ国々との意向の相違も指摘され、援助対象国の要望を軸にした開発支援に取り組む日本のODA政策との違いを見出すことができました。

発表終了後、韓国のODA政策についてより詳しく知ろうと多くの質問が参加者より寄せられました。参加者の中には韓国が支援をしている国々からの留学生も多く、韓国が特定の国とパートナーシップを結んだ理由に関する質問等が寄せられ、朴博士並びに尹博士がそれぞれの質問に対して丁寧にご返答して下さいました。本セミナーの参加者にとって、近年の韓国のODA政策を理解する大変貴重な機会になったと思います。朴博士並びに尹博士にこの場をお借りして御礼申し上げます。

文責:金 恩昊(博士課程前期課程1年)

      

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