第61回CIES年次総会(国際大会) において小川啓一教授と小川ゼミの修了生、院生が研究成果を発表しました
2017年3月5日(日)から9日(木)まで、米国アトランタの...
2016年8月10日(水)、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室において、開発運営政策セミナー、「南アジアにおけるスキル・フレームワークとプロジェクト:幼児教育から職業技術に焦点をあてて」が開催されました。本セミナーでは、世界銀行本部でシニアエコノミストとしてご活躍中で、夏季の集中講義を担当されていた野村真作博士を講師としてお迎えしました。
野村博士は、まず、Millennium Development Goals (MDGs) とSustainable Development Goals (SDGs)の大きな違いを説明し、SDGsの教育部門について説明されました。MDGsでは、万人のための教育 (EFA) が主要な目標として提唱されている一方、SDGsでは、幼児教育や技術教育といったサブセクターの多様化、そして、質、スキルの妥当性、プロセスといったもとめられている結果の多様化が結果として求められるようになっているということでした。
野村博士は、現在取り組まれているバングラデシュでの現地調査を含めた、様々なプロジェクトの経験で養われた専門知識を基に、分析評価手法(Impact Evaluations)の事例を使いながら国際アジェンダから国の政策決定、そしてプロジェクトの実行という流れを説明されました。これらの研究手法は、国際機関の教育経済分野でよく使われている手法であるため、国際機構での教育エコノミストを目指す学生が自分の論文に取り組む非常に貴重な学術的情報をいただく貴重な機会にもなりました。
野村博士は、数多くの質問を投げかけようとする多数の参加者達に配慮し、質疑応答の時間を延長して下さり、活発な意見交換が行われました。本セミナーは、現在世界的に注目が集まる教育分野の研究手法や教育分野取り組みの現状を知ることができ、その成果について考える大変有意義な機会となりました。
文責:Seonkyung Choi(国際協力研究科博士後期課程 在籍)