2013年9月2日〜9月24日の3週間、マラウィ大学教育訓練センター(Center for Educational Research and Training,以下CERT)においてインターンシップに参加させて頂きました。今年は国際協力研究科から私を含め3名の日本人学生が派遣されました。

このインターンシップ参加の目的は、世界最貧国の一つであるマラウィへ行き、日本での机上の勉強では知り得ないマラウィの初等・中等教育の現状を把握し、教育開発への理解を深めること、そしてデータ収集を含め自分の研究を行うことでした。滞在期間は主に研究に必要なデータの収集活動と学校見学、研究活動に集中しました。私の研究題目は児童の中等学校進学の決定要素で、特に学習意欲に焦点を当てていました。

1週目、2週目はCERTスタッフの方々に指導を頂きながら質問表の作成、児童へのインタビューの内容構成を含む研究活動を行っていました。また、学校訪問の予定もたて、訪問する学校を決定しました。3週目には実際に3校の学校を訪問し、公立小学校、私立小学校、私立中学校において調査を行い、各校40名、合計120名の児童にアンケートを実施することが出来ました。訪れた学校は皆トップスクールで見た目では学校環境も想像していたものより悪くなく、児童は優秀で学習意欲も非常に高く感じらたことには驚きました。しかし、そんな成績の良い学校であるのに教室が不足しているのが現状で、始めに訪れた公立小学校では数百人の児童が校庭で各クラスに別れて、壁に掛けられた黒板の周りに集まり、地面に座って授業を受けている光景がありました。

<アンケートに回答を記入している児童の様子>

今回自分が経験した調査を振り返ると、初めてのインタビュー調査で緊張し、自分が得たかった情報が上手く聞き出せなかったり、時間制限に駆られて大事な質問をし忘れたりしてしまいました。しかし回数を重ねる毎に改善していくことが出来ました。アンケート調査の質問事項に関しても悩み、改善するべき点が見られました。しかし実際に子どもたちと話しながら家庭環境を聞いた経験から、より目的に適ったインタビュー内容にするためには何が必要か、また自分に足りないものは何かといった事を学びました。

心残りなのは、農村部の学校を見ることが出来なかったことです。今回はゾンバ市の中心部に位置するパフォーマンスの良い学校のみ見学しましたが、教育内容のレベル、教員の質、学校施設においてよりレベルの低い学校が多く存在しています。今後もう一度マラウィに行く機会があれば、是非訪問してみたいと思います。

このインターンシップを通してフィールド調査の方法はもとより、積極性、コミュニケーション能力等の重要性を学び、自分の将来を考え直すきっかけにもなりました。最後に、インターンシップ期間中研究のみならず現地の生活を支えてくれたCERT職員の方々とこの機会を与えて下さった小川先生には心より感謝申し上げます。

博士前期課程1年
前川千絵