FHI360でのインターンシップ報告(宇原 英美)

2013年10月19日から12月3日までの約6週間、アメリカ合衆国ワシントンDCにある国際NGO、FHI360のグローバル・ラーニング・グループにて、インターンシップを行って参りました。本インターンシップの参加目的としましては、自身の関心分野である教育開発に対して、そのアクターの一つであるNGOはどのような役割を担っているのかを知ること、そして将来的にどのアクターの一員として自分が教育開発に関わっていきたいのかを明らかにすること、の二点でした。

インターンシップでは、グローバル・ラーニング・グループ内のアーリー・グレード・リテラシー・プロジェクト(小学校低学年の読解力向上のためのプロジェクト)で、途上国の児童のリーディング・アウトカム(読み書きの成果)に影響を与えるファクターについてのアノテイティッド・ビブリオグラフィーの作成を行いました。インターンシップに参加する以前の私は、どちらかと言えば、教育の質よりも、教育の量、つまり就学に興味の重きを置いていたのですが、このビブリオグラフィー作成というタスクを通して、インターンシップ参加後は、次第に教育の質への興味が増していきました。教育の利益を児童が真に享受するためには、必要最低限の読み書きの能力がその根底に必要となることに気づかされました。

uhara2インターンシップではその他に、スタッフに対するインフォメーショナル・インタビューの実施と、プロジェクトのプロポーザル作成のためのミーティング参加を行いました。前者は、教育開発分野の専門家である二名に、これまでに関わったプロジェクト内容、彼女らの専門性、その専門性の獲得方法について質問しました。また後者は、新たなプロジェクトをUSAIDから獲得するために、その道の専門家が集結し、その経験・知恵・人脈を持ち寄って、プロポーザルを作成していくという過程を垣間見ることができました。これらは、NGOがどのような立場で国際協力に携わっているのかを知るのに非常に役立ちました。また、どのような専門性を身に付ければ、どのようなプロジェクトに、どのような形で参加し、貢献することができるのかというイメージを持つことができました。プロジェクトの作成過程や実施について知ること、垣間見ることは非常にエキサイティングであり、それらは将来的に自分の行いたいことの一つでした。

今回のインターンシップは、自身の期待以上の経験が得られ、将来のビジョンがクリアになっていく思いがしました。このような機会を与えてくださった小川啓一教授、国際協力研究科、そして現地でサポートしてくださったFHI360には感謝の気持ちで一杯です。この度は、このような有意義な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。