小川啓一教授の共編著『世界で花開く日本の女性たち』が東信堂から出版されました

このほど、小川啓一教授と水野谷優先生(UNESCO IIEP)が編著を務めた書籍『世界で花開く日本の女性たちー国際機関で教育開発に携わるキャリア形成』が東信堂から出版されました。本書は、ユネスコ、OECD、教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)、世界銀行、ユニセフといった国際機関で教育開発に携わる11名の日本人女性専門家が歩んできたキャリア形成の軌跡を収録しています。

 本書の最大の特徴は、各機関の仕事内容を説明するだけでなく、執筆者一人ひとりの人生に深く迫っている点です。それぞれの原体験や学生時代の過ごし方、悩みや失敗談などをライフストーリー調に描き出しています。また、執筆者のキャリアステージも多様で、若手から幹部ポストに至るまで幅広く網羅されており、様々な読者層に向けたキャリアガイドとなっています。小川ゼミの卒業生からは荘所真理先生(世界銀行)、國松茉梨絵さん(UNICEF)、岡本紗貴さん(UNICEF)も執筆者に加わり、小川ゼミでの経験がどのように国際機関で活かされているかについて語られています。

 さらに、本書のもう一つの特徴は、執筆者全員が「女性」であることです。妊娠・出産や育児でキャリアが一時中断するなど、女性特有の困難に焦点を当て、国際機関でのライフワークバランスについても言及しています。執筆者たちの体験談と、これからの未来を担う若者に向けたメッセージは、国際機関を目指す全ての人に役立つ貴重な指針となるでしょう。

 共編者の水野谷優先生は、現在、UNESCO IIEPで技術協力部の部長を勤めておられます。小川教授の同窓でもあり、コロンビア大学人文科学系大学院で教育経済学の博士号を取得後、長らくにわたりユニセフで活躍されてきました。また、2022年にはGSICSの客員教授として、集中講義「Education Data Analysis for Achieving SDGs」を開講してくださいました。

 本書の執筆にあたり、小川ゼミの博士後期課程の学生である廣瀬麻衣さん、美並立人さん、八木歩(記事執筆者)、石井雄大さん、宇野耕平さん、柴田菜摘さんと、博士前期課程の学生である横川野彩さんが、執筆者へとインタビューを実施し、その内容をもとに各執筆者の方に草稿を仕上げていただきました。学生の視点から聞いてみたい点を中心に話を伺うことで、幅広い読者層のニーズに応える試みであるとともに、学生にとっては現役職員と直接対話し、交流を深める貴重な機会となりました。末筆ながら、このような機会を与えてくださった小川啓一教授に改めて感謝を申し上げます。

関連リンク:

神大人の本

水野谷優先生のホームページ

文責:八木歩(博士後期課程)