FHI360でのインターンシップ報告(坂上 勝基)

2013年7月15日~8月23日までの約6週間、FHI360においてインターンシップを実施させていただきました。インターンシップの期間中はFHI360内で国際教育開発に関する援助プロジェクトを担当しているGlobal Learning Group(GLG)の研究ユニットであるEducation Policy Data Center (EPDC)に客員研究員として所属し、自らの博士論文執筆に必要な情報収集、データ分析スキル習得を兼ね、以下にあげる主に4種類の活動をさせていただきました。1つ目は国際教育開発分野に関わる研修・シンポジウムへの参加、2つ目はFHI360スタッフへのInformational Interview、3つ目はEPDCの研究プロジェクトへの参画、4つ目はEPDCが行っている教育統計のオンラインデータベース構築の補助です。

1つ目に関しては、FHI360のプロジェクト・リーダーを対象とした研究倫理審査委員会による審査の手続きに関する研修会と、Save the Children、FHI360との共催で行われた、International Network for Education in Emergencies (INEE)によるConflict Sensitive Education(CSE)パックの米国での出版記念シンポジウムに参加しました。インターン実施期間がこうした催しが比較的少ない8月であったため、限られた数への参加に留まったものの、日本では十分に浸透していない手続きや概念についての知見を得る、貴重な機会となりました。

2つ目については、報告者の博士論文のテーマに関連した分野の専門家を中心に、計3名のスタッフに対してインタビューを実施することが出来ました。それぞれのインタビューでは報告者自身の研究トピックに係るプロジェクトや、先行研究等に関する多くの有益な情報が得られたことは勿論、研究の方向性や博士課程修了後の進路に関する多くの示唆を得ることも出来ました。

DSC001893つ目の活動に関しては、今回のインターンシップ全体のスーパバイザーであったCarina Omoeva博士の指導の下、統計ソフトを用いたデータ分析を行い、最終成果物として主要な分析結果をまとめた報告書をインターンシップの最終日に提出しました。

4つ目に関しては、EPDCが作成しWebサイト上で公開している教育関係の指標を格納したデータベースの、2013年度版への更新作業の一部を担当しました。本業務はオンライン・データーベースの管理スキル習得に役立ったことに加え、自身の研究を遂行する上での2次データの利用可能性を検討する上でも、大変有益でした。

今回のインターンを通じて学んだ事柄をまとめると、以下に述べる主に2点となります。1点目として、教育データの概要の把握や分析においてプロの研究者が注意し慎重になるべきポイントや、分析結果の批判的検証を行う際の視座について、スーパバイザーから細やかなアドバイスをいただく中で学ぶことができました。また2点目としては、実務の現場で研究を遂行する際に求められるスピード感覚や、分析成果をチームメンバーに共有しフィードバックを得ながら短期間で質の高いアウトプットを独立的に作りあげていく際のバランス感覚を体感することが出来ました。

DSC00322末筆になりますが、このような素晴らしい機会を提供してくださった指導教官の小川啓一教授、インターンとしての受け入れを認めて下さったFHI360副総裁のJohn Gillies氏、スーパバイザーとしてインターンシップの全期間を通じて暖かな指導をして下さったCarina Omoeva博士、本プログラムに係る事務手続きやロジスティック全般を担当して下さったRebecca Potts氏、そして公私にわたる様々な面で報告者のインターン生活を支えて下さったFHI360・GLGの全ての方々に、心からの謝意を表したいと思います。