ユネスコアジア太平洋地域教育局におけるインターンシップ報告(宇野耕平)

私は、2022年6月1日から11月30日にかけて、ユネスコアジア太平洋地域教育局(ユネスコバンコク)にてインターンシップを行いました。最初の2ヶ月間はCOVID-19パンデミックの影響により、オンラインで業務を実施する必要がありました。8月1日からタイに移動し、現地でインターンシップを行いました。私の主な業務について、(1)プロジェクトの補助、(2)政策レビューと分析、(3)カウンターパートナーとのミーティングの補助の3つに分類して、以下報告させていただきます。

第一に、インターンシップ中にいくつかのプロジェクトに携わりました。私が最も時間を費やしたプロジェクトは、「ユネスコ・アソシエイテッド・スクール・ネットワーク(ASPnet): アジア太平洋地域のSDGs達成における学校の役割に関する共同アクションリサーチ」でした。このプロジェクトは日本政府(Japan Funds In Trust) の助成を受けたプロジェクトであり、日本、タイ、ベトナムの中等教育が対象でした。私は、7月に岡山で開催された国内会議に参加し、9月に東京で開催された地域会議の準備・フォローアップに従事しました。これらの会議には、学校の教員、教育省(ユネスコ国内委員会)、持続可能な開発のための教育(ESD)の専門家等が参加しました。私は、参加者が他国の状況を理解できるよう、日本、タイ、ベトナムの3カ国の教育制度や特徴をレビューした資料を作成しました。会議期間中には、写真撮影、議事録作成、サマリーの作成、Webサイトの記事作成を行いました。会議の終了後には、プロジェクトのフォローアップとして、更に詳細な情報を入手するため、参加した教員や教育省の担当者と連絡を取りました。また、このプロジェクトの最終課題として、ESDを推進するための教師用ガイドラインのドラフトを作成しました。本プロジェクトを通して、会議の運営方法や、進捗状況の管理や、最終的な成果をカウンターパートナーに報告する方法を学ぶことができました。また、本プロジェクトに加えて「Together for Peace (T4P)」に関連する別のプロジェクトにも携わりました。特に、私は、さまざまな機関の研究者たちと連絡を取り合い、ミーティングを企画・運営補助をしました。

第二に、ユネスコの教育局における優先的な政策と、国連開発援助枠組み(UNSDCF/ UNDAF)をレビューし、政策・戦略分析を実施しました。分析の目的は、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムの国連開発援助枠組みにおけるユネスコの優先課題との整合性と一貫性の程度を評価することでした。この分析により、東南アジア地域の現在の国連協力枠組みにユネスコの優先課題がどの程度反映されているかをより深く理解することに繋がります。また、ユネスコの戦略的位置づけを強化したり、 国連開発援助枠組みに基づいた共同作業計画を通じた国連カントリーチームへのユネスコ支援に戦略的な情報の提供したりすることで、今後のプロジェクトにも参照されることが予想されます。最終的には、本分析の結果は、ユネスコアジアの地域オフィスのスタッフに共有されました。この活動を通じて、各組織や各政策(例: 国レベルの政策、ユネスコの政策、国連の枠組み)がどのように相互作用しているのかを理解することができました。

第三に、UNESCO-SEAMEO年次総会、アフガニスタン・コア・コーディネーション・チーム会議、全スタッフ会議などの会議の企画・運営の補助をしました。会議中は議事録を取ったり、写真を撮ったりしました。会議終了後には、ユネスコのウェブサイト掲載用の記事を執筆しました。この会議の運営補助を通して、カウンターパートナー(例. 教育グローバル・パートナーシップ [GPE]、Education Cannot Wait [ECW]、教育省、大使館、その他のユネスコ地域事務所など)とコミュニケーションをとる貴重な機会となりました。

ユネスコ・バンコクのExecutive Officeの皆様、いつも様々な機会を与えてくださり、国際機関で働くためのハード・ソフト両面のスキルアップを図ってくださった指導教官の小川啓一教授、履歴書の書き方や面接対策、国際機関で働くためのアドバイスをしてくださった先輩方にこの場をお借りして感謝申し上げます。

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文責:宇野耕平(博士前期課程)