JICA本部人間開発部におけるインターンシップ報告(美並 立人)

2021年10月11日から11月12日までの約5週間、国際協力機構(以下、JICA)本部にてインターンシップを実施しました。以下、その報告をさせていただきます。インターンシップの期間中、私は人間開発部 高等・技術セクターに配属され、具体的に以下の活動に従事しました。1点目に、国際機関により実施されている高等教育プロジェクトの調査及び、国際機関とJICAの高等教育分野における将来的な連携可能性の検討、2点目にJICAの実施する高等教育プロジェクトの関係者へのインタビュー及び、JICAのホームページに投稿する記事の執筆、3点目に高等・技術教育チームの梅宮次長が主催する高等教育勉強会への参加です。

1点目の活動は、世界銀行、UNESCOといった国際機関が開発途上国を対象として実施している高等教育プロジェクトの実態調査を行いました。プロジェクトに関するホームページの情報や学術論文などを通して文献調査を行い、それぞれの国際機関の実施する高等教育プロジェクトの特徴、課題、歴史的な変遷と今後の展望について学ぶことができました。また、文献調査からは見えてこない現地の実態や、JICAの実施する高等教育プロジェクトの強みをJICAの高等教育チームの専門家の方々からご教授いただき、高等教育分野における国際機関とJICAの将来的な連携可能性をより深く考察することができました。

2点目の活動は、JICAの高等教育プロジェクトにおいて重点支援を行っているJomo Kenyatta University of Agriculture and Technology(以下JKUAT)の教員、及び学生の方々にオンラインでのインタビュー調査の実施です。プロジェクトにより、どのようにJKUAT内の研究環境が改善したのか、どのような研究プロジェクトが行われており、成果を挙げてきたかについて理解を深めることができました。また、新型コロナウイルス感染拡大下での現地の状況や、高等教育プロジェクトを推進する上での今後の課題点を理解する非常に良い機会となりました。さらに、上記のインタビューの内容を基にJICAのプロジェクトに関するホームページに掲載する記事を執筆する機会をいただく事ができました。

3点目の活動として、梅宮次長による高等教育勉強会への参加及び、JICAの職員の方々との意見交換を行いました。勉強会はインターンシップの期間中に計13回行われ、日本と海外の高等教育の歴史的変遷から現在のトレンドまで包括的に高等教育分野について学ぶことができました。また、職員の方々との意見交換を通して、研究の理論やデータでは明らかにできない現地で起きている様々な問題点を理解することができました。

上記の活動を通して、JICAがプロジェクトを円滑に遂行するためにカウンターパート同士の架け橋になっているということ、そして、良好な人間関係を構築することが大切であるということを学びました。また、インタビュー調査を通して、新型コロナウイルス感染拡大下において開発途上国で実際にどのような事が課題となっているのか、解決するためにはどのようなサポートが必要かを知る良い機会となりました。そして、本インターンシップを通して様々な案件に関わり、多様な経歴を持つ方々と関わらせていただく事で、今後の自身の博士課程後期課程での研究及びキャリアにおいて大変貴重な経験を積む事ができました。

末筆になりますが、JICA本部でインターンとして受け入れてくださった人間開発部 高等・技術教育チームの梅宮先生、多大な支援をいただいた同チーム及び他チームの皆様、そしてインターンシップの応募から参加に至るまでご支援をしていただいた小川啓一教授、その他本インターンシップにご協力いただいた全ての方々に心より拝謝申し上げます。

文責:美並 立人 (博士課程修士課程)