ウガンダ教育スポーツ省インターンシップ報告書(高橋 香名)

Takahashi22014年7月31日から8月12日までの2週間、ウガンダ共和国の教育スポーツ省(Education Planning and Policy Analysis Department所属)にて、インターンシップをさせていただきました。私自身、若者の雇用に関心があり、ウガンダにおける中等教育レベルのスキルディベロップメントをテーマとして調査をさせていただきました。2週間という短い期間でしたが、主な活動と学び得た点について、以下に報告いたします。

まず、教育省内のBusiness, Technical, Vocational Training Department(以下BTVET)、Uganda National Examinations Board(UNEB)等を訪問し、担当者にインタビューを行いました。国の教育予算におけるBTVET予算の割合は約4 %と低く、各公的および民間職業訓練校のデータを収集する難しさを抱えているとお聞きしました。訪問時、ウガンダでは新たなスキルディベロップメント政策とその運営のため、既存のBTVETだけでなく、民間企業の積極的な参加を促すスキーム「Skilling Uganda」構築に向けて動き出している真最中でした。レポートやデータはこれから…と聞きとても残念でしたが、今後どのような協力が必要となってくるのか、さらに詳しく学んでいきたいと思います。

Takahashi1第2に、首都カンパラにある公的職業訓練校3校を訪問させていただきました。電気・電子、機械、自動車等各分野担当の先生にお話を伺った際に、近年の建設ラッシュを受け、木工塗装分野に雇用ニーズがある中、生徒の興味分野とミスマッチがある点を指摘されました。特に、この仕事に情熱を持って、ウガンダの今後の持続的成長を見据え、農業・食品加工分野の人材育成が必要だとおっしゃっていたのが印象的です。また、JICAの支援を受けているナカワ職業訓練校(Nakawa Vocational Training Institute)では、インターンシップをカリキュラムに組み込んでおり、生徒の興味分野に合わせて、学校側コーディネーターが企業と連絡を取り合う等、とても興味深く拝見しました。また次年度の新プロジェクトのためにJICAの事前調査団が来ておられ、貴重なお話を伺うことができました。

2週間という期間でしたが、学校の先生や省関係者の方々から、初等・中等教育の中途退学者の失業、農村の自営農業を放棄して都市へ流入する人々の増加、年々増加している大学卒業生とその雇用先が必要なこと等、実際にお話を伺うことができたこの体験を今後のバネと糧にしたいと思います。

最後に、留学前に今回のインターンシップに参加しようか迷っていた私を後押し支えてくださった小川先生、教育スポーツ省の方々、各学校関係者、また公私にわたる様々な面で滞在を支えて下さった小川ゼミの先輩方、マケレレ大学講師James Wokadara氏、元上級教育担当官で私たちのTAであるJeje Moses Okurut氏、そして支援して下ったすべての方に心より感謝申し上げます。

(文責:神戸大学大学院国際協力研究科博士課程前期1年 高橋 香名