小川ゼミの学生がキャンパスアジア・プラス・プログラム2024年ラオス国立大学短期留学プログラムに参加しました。
2024年8月17日(日)から9月16日(月)までの約1ヶ月...
2012年9月5日~9月28日までの約3週間、ウガンダ教育スポーツ省(Ministry of Education and Sports: MoES)においてインターンシップをさせていただきました。以下、その報告をさせていただきます。
インターンシップの期間中はEducation Planning and Policy Analysis Department内のMonitoring & Evaluation Divisionに所属し、 ウガンダの初等教育における生徒の学習到達度の都市農村間格差の問題に関する自らの修士論文執筆に必要なデータの収集を主な目的に、大きく分けて以下にあげる3種類の活動をさせていただきました。1つ目はウガンダ教育セクターにおけるセクターワイドアプローチ(Sector-wide approach: SWAp)の最も重要な実施組織であるEducation Sector Consultative Committee (ESCC) の傘下にあるMonitoring & Evaluation (M & E)のWorking Groupによる活動の見学、2つ目はサンプリングを行った小学校でのフィールド調査、3つ目は研究テーマに関係するMoES内の他の部署や外部の開発援助組織の担当者への訪問インタビューです。
1つ目のM & EのWorking Groupによる活動の見学では、具体的には、12日に行われたMoESや開発援助組織からの関係者が一同に会し、様々な案件についてディスカッションを行う定例会合に実際に参加させていただくことができました。また、13日に行われた2012 Education and Sports Sector Review(ESSR)Field Visitへむけた準備会合にも参加させていただき、教育セクターに対する国レベルのM & Eが実際にどのような過程で行われているかの一端を知る大変貴重な機会となりました。
2つ目の活動に関しては、今回このESSR Field Visitのチームの一つに同行させていただくことで、筆者のフィールドであるウガンダ東部の農村地域に位置するKapchorwa Districtでのフィールド調査を実現することができました。17日~19日の3泊という短い滞在期間の中で、District Office への表敬訪問と、予めSouthern and Eastern Africa Consortium for Monitoring Education Quality (SACMEQ)IIIのデータをもとにサンプリングしていた6つの公立小学校への訪問を行い、校長とSACMEQで学習到達度が測定されている英語と数学の教員1名ずつの各学校3名、計18名に対する半構造化インタビューを実施しました。さらに20日には、ウガンダ東部に位置するMbale Districtに滞在し、やはりSACMEQ IIIのデータをもとにサンプリングしていた2つの公立小学校を訪問し、Kapchorwa Districtで行ったのと同様の調査を行わせていただきました。
3つ目の活動では、まずMoES内の所属していた部署以外の部署を訪ね、Pre-Primary and Primary Education担当のCommissionerや、Special Needs Education担当のCommissionerらへのインタビューを通して、筆者が研究対象としている初等教育全般や農村部の学校で教える教員に対する支援政策、僻地教育やノンフォーマル教育の現状についての理解を深めることができました。MoES外の開発援助組織については、26日にアフリカの女子教育改善に取り組む代表的NGOであるアフリカ女性教育者フォーラム(Forum for African Women Educationalist: FAWE)、27日にJICA、28日にUNICEFのウガンダ事務所への訪問を実施し、各ドナーが主に初等教育の質改善にむけて現在どのような取り組みに力を入れているかを中心に、担当者に質問をさせていただきました。また、27日にはMoES内にあるUganda National Commission for UNESCOへの訪問も行いました。
今回は去年に引き続いて2回目のインターンであったこともあり、前回痛感させられた自らの課題である積極性やコミュニケーション力、行動力向上において、妥協なく取り組むことを常に念頭におき、加えて経験者として受け入れ機関からの要請とインターン側の調整役になり、スケジュールの組み立てや訪問先へのアポイントメント取得等においてリーダーシップを発揮することも心がけました。また、上記にあげた3つの活動以外にも、許可をいただいて別の建物にあるEducation Planning and Policy Analysis Department 内のStatistics Divisionへ通い、修士論文の定量分析で用いるデータに係る様々な文書や、生徒の学習到達度や学校レベルの様々な変数に関するデータの収集・分析もさせていただきました。調査企画・実施・分析能力や英語でのコミュニケーション能力などの面で、国際機関で働くという自らのキャリア目標実現にむけては、まだまだ多くの課題に気付かされた一方、博士課程後期課程進学を希望している筆者にとって、修士論文執筆に必要なデータを集めることができたことに加え、ウガンダというフィールドで今後研究を深めていく上で重要な幅広いネットワークを開拓することができたことは、大きな収穫であったと確信しています。
末筆になりますが、このような素晴らしい機会を提供してくださった指導教官の小川啓一教授、そしてインターンとしての受け入れを認めインターンシップの全期間を通じて暖かい支援をしてくださったEducation Planning and Policy Analysis DepartmentのAssistant CommissionerであられるJoseph Eilor氏をはじめとする教育スポーツ省の多くの方々、調査にご協力いただいたすべての方々に、心からの感謝の意を表したいと思います。