第二回国際ハイブリット学会がダッカ大学(バングラデシュ)にて開催されました。
2023年2月14日から15日にかけて、第二回国際ハイブリッ...
3月8日から20日にかけて、小川啓一教授のご指導の下ワシントンDCにおいて海外実習に参加しました。実習期間の前半はComparative International Education Society (以下CIES)2015に出席し、また個人発表をさせて頂きました。期間の後半には主に世界銀行を訪問し、小川ゼミの卒業生を含めた様々な専門家の方にお話を伺いました。以下、それぞれについて詳細な報告を致します。
期間の前半ではCIES 2015内外で様々なセッションに参加しました。私は現在教師のトピックに研究関心があるため、学会では本トピックに関する政策、実践、研究など様々な視点からの報告を聞きに行きました。また、「教育の収益率に関する比較研究の50年」と題したMartin Carnoy, George Psacharopoulosの両名のセッションにも参加しました。教育投資の収益率の大家である両氏の講演を聞くことで、自らがGSICSの人的資源開発の講義で学んだことを再確認することが出来ました。加えて学会外では、Research for Development (R4D)主催の「教育を受ける権利を算定する:2030年目標達成のためのコスト」のセッションに参加しました。このセッションでは2015年以降の目標である就学前・初等・前期中等教育の完全普及の達成にかかるコストの試算が示されました。こうして目標達成を財政の視点からより現実的に見ることは大変重要であり、また発表は興味深いものでした。
実習の後半では、世界銀行本部で働いておられる方々を訪問し、キャリア形成や研究に関して様々なアドバイスを頂きました。Dr. Harry Anthony Patrinos氏、Dr. Luis Benveniste氏、Dr. Christophe Rockmore氏、Dr. Halsey Rogers氏、そして日本人職員であるDr. Tomomi Miyajima氏、Dr. Susumu Yoshida氏、Mr. Hiroshi Saeki氏、Dr. Shinya Takamatsu氏、そしてDr. Nobuyuki Tanaka氏らを訪問しました。特にDr. Rockmore氏とDr. Halsey Rogersとの議論は非常に充実したものとなりました。 Dr. Rockmore氏はアフリカ地域担当の人的資源開発部門に所属するエコノミストで、Service Delivery Indicator (SDI) の業務を担当されています。SDIは様々な国で教師の欠勤率を調査しているため、私の研究関心と非常に関連があります。またDr. Rogers氏は教師に関して多くの研究をされてきており、その中で教師の欠勤に関しても分析を行なっておられます。訪問を通じて、両氏から研究に対するコメントはもちろん、キャリアに関する助言も数多く頂きました。
実習を通して、私は大きく三つのことを学びました。一つはどのようにキャリア形成を行なっていくか、一つは世界銀行とその職員が実際にどのように仕事をしているか、そして研究をどのように発展させていくか、です。特に世界銀行の具体的なイメージをつかめたことは、これからの励みになりました。
今回の海外実習では、野村真作氏、荘所真理氏、田中伸幸氏、野村美穂氏ら小川ゼミの卒業生の方々に大変お世話になりました。またこのような貴重な機会を与えて下さった小川啓一教授に心からの謝意を表し、報告を締めくくらせていただきます。
沼澤 建
博士前期課程一年