ワシントンDCでの海外実習報告(西原梨緒)
私西原梨緒は、8月6日から13日にかけて本国際協力研究科の小...
2014年8月23日より10月6日までのおよそ6週間、ウガンダ教育スポーツ省(Ministry of Education and Sports: MoES )においてインターンシップを行いました。下記をその報告とさせていただきます。
本インターンシップでは、当初Education Planning and Policy Analysis Department内のMonitoring & Evaluation Division に所属し、その後National Curriculum Development Centre(NCDE)に配属され、3週目以降は再度Monitoring & Evaluation Division に所属しました。このインターンシップにおいて、自身の研究である「ICTを用いた授業の評価」に関するデータ収集を主な目的とし、MoES教育専門家が実施する政策研究の補助並びにMoESが国際援助機関と共同で行った2014 Education and Sports Sector Reviewに必要となる書類作成、MoESとCyber-Schoolが提携して行っているe-Learning プロジェクト評価補助を行いました。また、MoESでの活動が評価された結果、MoES全体が実施する「 Education and Sports Sector Review(ESSR)」の年次会合にMoES職員の補佐という立場で年次会合に招待されました。下記に本インターンシップでの業務、自身の研究について大きく3つに分けて報告いたします。
最初にMoESで行った業務では、学部でICTを専門としていたことを評価され、MoESのICT分野のCommissionerを紹介され、ESSRで報告する書類作成業務の補助を行い、報告書類のスペルを修正する作業を手伝いました。また、ICTを用いて教育の質を高めるためにMoESがCyber-Schoolと提携して行っている事業のひとつであるe-Learning projectの評価事業に同行する機会を頂きました。私は、小川先生の承諾をいただいた上でMoES職員とCyberSchoolの職員と共に中学校を訪問し、ESSR報告書作成で必要となるデータ収集の補助を行いました。その後、MoESのMonitoring & Evaluation Divisionにおいて、年次報告書類の印刷および書類のスペルミスの確認などの業務を手伝いました。また、ESSRでは、受付の補助やプログラム変更に伴うアナウンスを補助するといった業務を行いました。
次にインターンシップを通して行った研究では、MoESの職員から紹介を受け、NCDCに1週間ほど配属されました。NCDCでは自身の研究に集中する時間を頂きました。その中で、NCDCの職員から「ICTを用いた授業の評価」を研究するためには、中等教育がより事例が多いため、研究対象を変更するべきであるという的確な意見をいただくことができました。彼らMoES職員と彼らの業務を補助するなかで、修士論文として研究したい内容を明確にすることができました。また、ICTのCommissionerからも研究に対する意見を頂くことができました。そして、幸いにもe-Learning のプロジェクト評価で中学校に訪問した際には、生徒に質問をする機会を頂くことができました。さらに、彼らの紹介でMoESが管理するデータベースEducation Management Information System(EMIS)および私の研究に必要となるデータの入手方法などを詳しく説明していただき、研究に関するデータを収集することができました。今後は、収集できたデータや質問紙の回答を整理し、修士論文執筆で活かす予定です。
最後に、このインターンシップにおいて、MoESの職員の紹介を頂きながら、教育セクター関係者との意見交換を行う機会を設けました。この意見交換において、MoES内部のみならずWorld Bank やUNICEF、UNDP、JICAといった開発援助機関に所属する方とお会いしてウガンダが抱える問題について議論することができました。彼らと議論することで、自身の研究の方向性が以前より明確にすることができました。また、彼らよりMoES内の各部署のCommissionerを紹介して頂き、自身の研究に必要となるデータや情報を収集することができました。
このように今回のインターンシップでは、MoESのICTに関わる業務を手伝いながら、自身の研究を深め、研究に必要となるデータや情報を収集することができました。
私は、インターンシップを通して、「現地をよく知る必要性」「幅広いネットワークを築く必要性」「現地に馴染む姿勢の必要性」が今後研究をする上で、必要となるデータを収集する上でとても大切であるということを学びました。末筆になりますが、このような素晴らしい機会を与えてくださった指導教官の小川啓一教授、そしてMoESのJoseph Elior氏をはじめ多くの方に感謝の意を表したいです。
博士課程前期課程1年
岸 桃子