竹谷麻莉子氏からのメッセージ

将来の小川ゼミ生の皆さん、こんにちは。竹谷麻莉子と申します。この度、GSICS、小川ゼミに入ることを考えていらっしゃる皆さんに向けて、メッセージを書く機会をいただきました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

私は2009年4月にGSICSに入学しました。GSICSへ入学を決めた理由は、教育開発を専門に研究できること、そして、広く、「開発」について学べる講義があることでした。M1の時に、国際政治学や国際保健、防災の講義も受講し、様々な視点から「開発」について学べたことは、文学部出身の自分にとって知識を深める機会となり、よかったです。

そして、小川ゼミでは、教育開発の理論から、調査手法研として、統計を使った量的手法、経済学的アプローチの手法を学ぶことができます。マクロ経済やミクロ経済の講義を受講し、経済学の基礎を学びました。

 大量の課題を、他の講義や試験とうまく調整しながらこなすことは非常に難しいですが、どのような会社、団体に所属するにしても必要な自己管理能力であると、後にNGOで働いた際に、とても実感しました。また、同期の仲間と、何でも話し合える関係をつくることができ、入学当初は皆、英語でのプレゼン経験がほとんどなかったため、論文の進捗発表の練習や学会発表前に一緒に練習したり、ゼミの課題や試験、インターンシップ等を通して、同期との結束を強めることができました。同期と出会えたことも、小川ゼミで得た、財産の一つです。

他にも、小川ゼミには他にはない、実に多くのチャンスがあります。ウガンダ教育スポーツ省でのインターンシップや、世界銀行やユネスコでの海外実習は、どのようなことが現場で実践されているのか、大学院での研究をどのように活かすことができるのか、といったことを考えるきっかけになりました。また、研究会や学会発表の機会も多くあり、自分の関心分野の研究をしている人々と出会うチャンスがあるため、研究者同士のネットワークをつくっていくことができます。

また、私は、イギリスのサセックス大学教育社会事業研究科の修士課程へ、ダブルディグリー制度を利用して2010年8月から2011年9月まで留学しました。このコースでは、教育開発の基礎から、ジェンダーや教育政策、教授法など、専門に特化したテーマへと掘り下げて学ぶことができます。アフリカ諸国や中東、東南アジアからの留学生は、政府関係やNGO で働いている人、教員経験者が多く、様々な視点からディスカッションができました。IDS(Institute of Development Studies)という開発学専門の研究施設もあり、毎月、開発学に関してのワークショップや講演が行われており、常に開発学を学べる素晴らしい環境でした。

そして、2012年3月に博士課程前期を修了した後は、博士課程後期を休学し、同年4月から公益社団法人シャンティ国際ボランティア会のカンボジア事務所で、また、2013年2月から2014年4月まで、ラオス事務所に勤務しました。元々、NGO で働きたいという思いがあったので、この2年間はとても貴重な経験になったと思います。そして、現場で働き出してより一層、小川ゼミを通して学んだことが活きていると実感しました。異なるバックグラウンドをもつ人と、それぞれの考えや事情がある中で共通の目的に向かって取り組む訓練を、小川ゼミを通して培うことができたため、現地のスタッフとうまく関係性をつくっていくことができたと思います。

現在は博士課程後期に復学し、博士号取得を目指して、研究を続けています。小川ゼミは様々な機会に恵まれているので、それらを活かし、目標に向かって着実に歩むことができると思います。小川ゼミで、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。