小川啓一教授がユネスコ主催のWorld Teacher’s Day Forumで招待講演をしました

2016年10月5日および6日にタイのバンコクで開催された「世界教員の日フォーラム(World Teacher’s Day Forum)」にて、国際協力研究科の小川啓一教授が招待講演をしました。本フォーラムは、ユネスコ・アジア太平洋地域教育事務局(以下、ユネスコ・バンコク)の主催で開催され100名以上のアジア太平洋地域の教育省官僚や政策立案にかかわる専門家が参加し、アジア地域における教員政策や教員政策実施の現状に関して活発な議論が行われました。

UNESCO World Teachers Day Forum in 2016小川教授が発表された「アセアン諸国における効率的な教員配置の戦略開発(Developing Strategies for Efficient Teacher Placement in ASEAN Countries)」は、平成28年度文部科学省政府開発援助ユネスコ活動費補助金事業の一環として、神戸大学国際協力研究科とユネスコ・バンコクの教育専門家が共同実施した調査研究成果に基づくものです。本発表では、小川教授はアセアン諸国のように教員給与が教育財政の大半を占める国々において、限られた予算の中で教育の効果を高めるにあたり効率的な教員配置は重要な課題であることを説明されました。そのような状況の下、アセアン地域の教員配置の政策と現状について、ベトナム、ラオス、カンボジアの3カ国を事例に、各国の教員採用および教員養成方法、教員配置の方法について紹介されました。分析の結果、今後の取り組むべき課題として小川教授は各国ともに政策と現状が乖離していること、特にベトナムにおいてはマイノリティの生徒と教員の比率が県によって差があり、公正性が保たれていないことを指摘されました。

小川教授の発表後には会場から多くの質問やコメントが寄せられ、効率的な教員配置の重要性と本テーマに対する関心の高さを確認することができました。私、白石希望はユネスコ・バンコクでインターンシップをしており、同フォーラムへの参加の機会を得たことで、教員配置に関する知識を深めることができたとともに本テーマに対する教育専門家の方々の熱意に触れ、教育開発の重要な分野の一つである教員政策について考察することができました。

文責:白石希望(博士課程前期在籍)

関連リンク
ユネスコ・バンコク「世界教員の日フォーラム」(英語サイト)
小川教授発表資料、ユネスコ・バンコク「世界教員の日フォーラム」(英語サイト)
神戸大学「平成28年度の文科省政府開発援助ユネスコ活動費補助金事業に採択されました」