ウガンダ内閣府におけるインターンシップ報告 (島部 惠子)
2023年8月1日から10月23日までの約3ヶ月間、ウガンダ...
私は3月9日から22日までカナダのトロントとアメリカのワシントンDCで実施された海外実習、「国際機関から学ぶリスク・マネージメントに関する調査(担当教員:小川啓一教授)」に参加しました。私自身が本海外実習に参加するに当たって定めた目標は2つありました。まず、トロントでの海外実習の目的は、「第58回比較国際教育学会(Comparative International Education Society : CIES)」に参加し自身の研究の改善および最新の研究の動向を探ることでした。私が参加した博士論文のプロポーサルについて意見交換を行うワークショップは、アメリカの博士課程に在籍する学生と共にお互いの研究について議論を行う貴重な機会となりました。次に、ワシントンDCでの海外実習の目的は、国際機関への訪問を通じて自身のキャリアについてより明確なビジョンを持つことでした。国際機関で活躍される先輩や、小川啓一教授の知り合いの専門家にお会いするなかで、自分が今後どうしていきたいのか明確にしていくことができました。以下では、もう少し具体的に本海外実習で学んだことを述べたいと思います。
トロントで参加したCIESでは、まず、今年初めて参加した博士論文プロポーサルを改善するためのワークショップにおいて、同じ分野で論文執筆に奮闘する仲間に出会い、刺激をもらえたことはとても大きな収穫でした。博士後期課程にいるということは単に自身の研究だけをしていればいいという訳ではなく、指導教官のもと色々な仕事やプロジェクトに関わり、また研究雑誌への投稿、インターンシップ等を通じての就職活動などすべきことが沢山あります。手さぐりで進むなか、思いを共有し、また情報交換することができる仲間に出会ったことは大きな財産であると感じます。その他にも、国際学力調査であるPISA(Program for International Student Assessment)のデータの使い方について学ぶワークショップへの参加や、大規模学力調査を用いた分析について研鑽しあうセッションに参加することで、自分の関心を持つ分野がまさにトレンドとして学術界や国際開発の現場でも注目を浴びていることを実感することができました。最後に、自身の研究で縁のあるケニアから来られていた研究者ともネットワークを構築できたことが非常に大きな収穫であったと感じます。
アメリカのワシントンDCでは、現在世界銀行のエコノミストとしてご活躍されている小川ゼミの先輩である野村博士や教育収益率分析で有名なパトリノス博士、また以前神戸大学に客員教授としていらっしゃったエドワード博士等と再会し、色々とお話しを伺う機会を頂き、将来について考えるきっかけとなりました。本海外実習の魅力は、現在第一線で活躍されている専門家と直接お会いし、また、オフィスや職場環境を自身の目で見て、肌で感じることができる点だと思います。DCでの各種国際機関の訪問を通じて、大規模学力調査に精通していくことが今後の自分自身のキャリアを築いていく上で、非常に重要であると確認することができました。
最後になりますが、日頃なかなかゆっくりとコミュニケーションを取れずにいた同じ小川ゼミの仲間と一緒に過ごすことができたことも良い機会となりました。2週間という短い期間でしたが、共に行動をするこのような機会だからこそ、様々な話ができたと実感しています。今回はジョージワシントン大学から参加した学生もいて、実習の参加者同士での学びあいも非常に有意義であると思いました。日頃、大変忙しいなか時間をやりくりして本海外実習を実施していただき、また実習中も全面的にサポートをしてくださった小川啓一教授に心から敬意と感謝を込めて、本海外実習レポートを締めくくりたいと思います。