ケニア・ナイロビにおける高度海外研究(島田 健太郎)
私は2014年の3月28日から3カ月間、博士論文で用いるデー...
2024年1月から2月にかけて、カンボジア開発資源研究所(Cambodia Development Resource Institute: CDRI)のCenter for Educational Research and Innovationにて、Chea Phal博士のご指導のもとでインターンシップを実施しました。本インターンシップを通じて、カンボジアの高等教育におけるジェンダー問題というテーマについて、STEM(=Science Technology Engineering Math )教育と国際化の二側面から知見を深めることができました。インターンシップ期間中には、(1) アジア開発銀行(=ADB)と共同で行っているSTEM教育のジェンダー問題に関する研究プロジェクトへの参加、 (2) 高等教育におけるジェンダー格差と国際化の影響に関する記事の作成を行いました。
1点目に、日本人のリーダーとカンボジア人研究者の共同研究に携わらせていただき、STEM教育を受けた女性労働者に対する質問紙の作成に携わらせていただきました。質問項目を考えるにあたって、当初は先行研究をもとに作成していたのですが、現地の研究者から意見をいただく中で、より現地の状況に合うように改善されていきました。この経験を通じて、研究を行ううえで、先行研究を見るだけでは不十分であり、現地に行くことの重要性を感じました。また、カンボジアにおけるSTEM教育のジェンダー問題について理解を深めるとともに、ADBのような国際機関とCDRIといった各国の機関がどのように役割分担をしてプロジェクトを進めるのかという点について学ぶことができました。
2点目に、カンボジアの高等教育におけるジェンダー格差と国際化の現状について学ぶとともに、CDRIの出版物であるCambodia Development Reviewの記事の作成に携わらせていただきました。先行研究や政策文献から集めた情報とこれまでCDRIが取り組んできたテーマをもとに、カンボジア人インターンの方と議論を重ねながら、自らテーマを決定し、最終的に記事の執筆までを担当しました。カンボジアにおける女性の結婚観や家庭観について教えていただきながら、ジェンダー格差が起こりうるカンボジア特有の原因について、理解を深めることができました。
さらに、上記の活動に加えて、カンボジア国外のCDRIアドバイザーの方々とコミュニケーションを取る機会を多くいただき、ネットワークを構築すると同時に、どのようにしてCDRIが世界中の研究者と協働し、プロジェクトを進めているのか知ることができました。
末筆になりますが、本インターンシップを受け入れてくださったChea Phal博士、CDRI関係者の皆様、インターンシップ実施にあたりご支援とご尽力をしてくださった小川啓一教授に深くお礼申し上げます。
文責: 横川野彩 (博士前期課程1年)