カンボジア開発資源研究所(CDRI)におけるインターンシップ報告(小池拓実)

2024年1月から2024年2月にかけて、カンボジア開発資源研究所(Cambodia Development Resource Institute: CDRI)にて、Dr.Chea Phal所長のご指導のもと、主に以下に挙げるインターンシップを実施しました。(1)カンボジアにおける教員の専門能力開発について、文献や現場の教員・学校長の視点を通して理解を深める、(2)実務におけるデータ分析業務についての知見を得るために、教育プロジェクトに関するデータ分析に携わりました。

1点目の教員能力開発に関するプロジェクトでは、主に文献調査とフィールドワークの準備・実施に関わりました。文献調査では、カンボジア国内のみならず近隣諸国における現職教員研修のあり方について包括的なレビューを行いました。調査の結果、近隣諸国の中でもベトナムにおける教員訓練の文献が多く見られ、プロジェクトメンバーとそれらの文献で主張されていた教員開発訓練の特徴について、カンボジア国内の文脈に適応させるための活発的な意見交換を交わしました。さらにフィールドワークでは、プノンペン市内の小学校を訪れ、教員と学校長に対するインタビューを通して、現行の現職教員研修に対する認識を調査しました。特にこれらのインタビュー調査の下準備として、質問紙の項目作成の業務に従事しました。

2点目のデータ分析業務では、カンボジア国内に収監されている受刑者に対する教育プロジェクトに携わり、情報整理の業務を行いました。具体的には、Excelにまとめられた受刑者の情報を、データ分析ソフトのSTATAを用いて整理し、更に受刑者の背景情報を記述統計法で分析しました。これらの業務を通して、実務におけるデータ分析業務の流れや全体像を把握することができ、今後の大学院での勉学に対する大きなモチベーションとなりました。

上記のように、本インターンシップでは、文献調査やフィールドワーク、データ分析の業務を通してカンボジア国内における教育の現状について知識を深めることができました。これまで学業を通して学んでいたことを実際の現場で調査することはとても新鮮であり、現場の文脈を深く理解するには更なる勉強と経験が必要であると痛感しました。末筆になりますが、本インターンシップを受け入れて下さったDr.Chea Phal所長、また本インターンシップ実施にあたりご支援とご尽力してくださった小川啓一教授にこの場をお借りして拝謝申し上げます。

文責: 小池拓実(博士前期課程)