JICA本部評価部におけるインターンシップ報告(八木 歩)

2022年2月4日から3月31日までの約2ヶ月間、国際協力機構(以下、JICA)本部にてインターンシップを実施しました。以下、その報告をさせていただきます。

インターンシップの期間中、私は評価部評価企画課に配属され、(1) インパクト評価の手法を用いた学術論文の要約作成、(2) 評価部向けの勉強会への参加を中心にインパクト評価タスクフォースにおける活動に従事しました。

私がインターンシップをさせていただいた評価部では、JICAが行う事業の事前・事後評価等に関連した業務を行っています。また、JICA事業に留まらず、世界銀行を含む国際機関や援助機関による評価事例の収集なども行っています。近年では、エビデンスにもとづく政策立案の重要性の高まりに伴って、インパクト評価による厳密な開発成果の測定にも力を入れています。評価部では数年前からインパクト評価タスクフォースを結成し、インパクト評価に関する情報収集や事業評価における活用に尽力しています。

こうした状況を踏まえて、私が従事させていただいた1点目の活動は、著名な経済誌に掲載されているインパクト評価の手法を用いた学術論文の要約作成です。教育に限らず、保健衛生・金融・インフラなど多岐にわたる分野の、政策およびプロジェクトの効果を検証した論文を2-3ページ程度にまとめました。一本の論文を要約するだけでも、インパクト評価のデザインや理論、因果効果の妥当性の解釈などが難解で時間がかかりましたが、理論的な知識や論文としてのまとめ方まで大変勉強になりました。

2点目の活動は、評価部勉強会への参加です。評価部では定期的に、評価の重要性、評価手法や事例の共有、インパクト評価の知見の共有などを行う勉強会を実施しています。こうした勉強会に参加し、講演者との議論を通じて、評価部の業務および評価に関して理解を深めることができました。

今後は、獲得した知識を実際の分析スキルへと落とし込んでいくことが重要であると考え、分析スキルの習得に関してJICA職員の方に相談する機会をいただきました。人間開発部の梅宮直樹次長には、他部署でありながらお時間を頂戴し、教育分野でインパクト評価を扱っている職員の方に繋いでいただきました。実際に働いている職員の方々の話を聞くことができるのも、インターンシップの大きな魅力であると改めて感じました。

末筆になりますが、JICA本部でインターンとして受け入れ、多くの助言をくださった評価部の皆様、インターンシップの応募から参加に至るまでご支援くださった小川啓一教授、他部署でありながら惜しむことなくご支援くださった梅宮直樹次長、そして本インターンシップにご協力いただいた全ての方々に心より拝謝申し上げます。

文責:八木 歩(博士後期課程1年)