マケレレ大学におけるインターンシップ報告(宮本 健太)
2017年8月30日から10月4日までの5週間、ウガンダにあ...
私は2022年2月21日より3月18日まで、ウガンダ内閣府にてSenior Technical Adviserを務めるDr. Albert Byamugishaさん(小川ゼミ卒業生)のご指導のもとオンラインインターンシップを実施しました。Albertさんは現在、内閣府にてウガンダのSDGs推進を担っており、私のインターンシップもウガンダのSDGs達成に主眼をおいたものでした。インターンシップ期間中はZOOMを通じてAlbertさんから現在のウガンダ政府のSDGsに対する取り組みや現状、課題等の説明をいただきました。ご説明いただいたお話の中で、私は教育財政、特に地方政府の初等教育への支出とその効率性に関心をもったため、ウガンダ政府のSDGs達成に向けた政策文書やレポートの文献レビューを実施しました。
それらの文献のレビューを行った結果、ウガンダでは1997年の公立の初等教育無償化以降、就学率は約90%と高い一方で、高い退学率、および留年率が初等教育の内部効率性という観点において重大な課題として残っていることを明らかにしました。更に文献レビューを進める中で、それらの要因としては児童婚や児童労働という問題が影響していることや、教育の無償化がされたのにも関わらず公ではない教育費の徴収がなされていること、また4年生から始まる英語教育が生徒の学習達成度を低めていることが判明しました。
このような現状に対しウガンダ地方政府の初等教育への支出はどれだけ効果があるのかという観点から、ウガンダの教育省及び、財務省により公開されているデータを用いてデータ分析をしました。その結果、ウガンダの教育への支出額と初等教育の留年率は相関関係を持たないことを特定しました。その一方で指導法のトレーニングを受けた教師への支出は留年率を下げることに相関関係があることが分かりました。この分析結果をもとに教員トレーニングによる教育の質の改善が高い退学率及びに対する有効な解決策となり得るということをレポートとしてまとめ、Albertさんへの提出をもって本インターンシップを終了しました。COVID-19の影響により、ウガンダ現地へ赴くことができなかったのは残念でありましたが、文献レビュー、データ分析、レポート執筆の機会をいただける大変貴重かつ、多くのことを学ぶことができたインターンシップでした。
末筆ながら、このような貴重なインターンシップの機会をくださった小川先生、そしてお忙しい中、オンラインにてご指導くださったAlbertさんに心より感謝申し上げます。
文責:内山かおり(博士課程前期課程2年)