開発運営政策セミナー「ポスト2015に向けた国際教育協力-アジアを事例として-」が開催されました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2014年7月9日に神戸大学大学院国際協力研究科棟大会議室に於いて「開発運営政策セミナー」が開催されました。本セミナーでは、ジョージワシントン大学准教授のウィリアムス・ジェームス氏とパキスタン教育省次長のアジズ・ルクサナ氏を講師としてお迎えし、ポスト2015に向けた国際教育協力について、それぞれアジアを事例にセミナーをして頂きました。また、コメンテーターとしてカンボジア教育青年スポーツ省主任のクロック・ヴィラ氏と東ティモール教育省主任のマーティンズ・ジョアン氏をお招きしました。更に、ゲストとしてインディアナ大学名誉教授のアーノブ・ロバート氏もお迎えしました。

ウィリアムス氏は初めに教育開発における教育の質とは何か、どのように質を測定するのかといった問いを参加者に投げかけ、教育の質評価が重要度を増してきていることを確認されました。ウィリアムス氏は東南アジアでの研究活動をもとに様々な質評価枠組みの事例を紹介する一方で、評価のための試験が過度な競争をもたらしかねないこと、これからはより慎重な評価が求められることを指摘されました。

004ウィリアムス氏のセミナーの後、ルクサナ氏にはパキスタンの教育発展について、国際的な開発援助という視点から講義をして頂きました。ルクサナ氏はまずパキスタンに対する開発援助全般について概観され、次に教育セクターに対する支援の状況を説明されました。EFA目標の達成のためには未だ資金が不足しており、今後も開発援助は必要であることを指摘され、教育のみならず他の分野における発展目標についても確認されました。

お二人のセミナーの後は、クロック氏とマーティンズ氏がそれぞれの国の状況を踏まえながらコメントをされました。また講師への質疑応答から発展する形で、ポスト2015における国際教育協力について、フロア全体での意見交換が活発に行われました。講師のみならず参加者も交えた議論によって、今回のセミナーは大変貴重かつ有意義なものとなりました。講師のウィリアムス・ジェームス氏、アジズ・ルクサナ氏を初め、この機会を設けて下さった小川啓一教授にも、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

(文責:神戸大学国際協力研究科博士前期課程1年 沼澤 建

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http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2014_07_09_01.html