カンボジア開発資源研究所(CDRI)におけるインターンシップ報告(Siyu Lyu)

2024年1月から2月にかけて、私はカンボジア開発資源研究所(Cambodian Development Resource Institute: CDRI)でDr. Chea Phal所長のご指導のもと、インターンシップを実施しました。具体的には、本インターンシップでカンボジアの中等学校における性別間の学習成績格差とICT教育に焦点を当てた調査を行いました。以下、その報告をさせていただきます。

まずはじめに、私は教育・青少年・スポーツ省主催のワークショップに参加する貴重な機会を得ることができました。本ワークショップのテーマは、「一般教育における高等学校レベルの性別間の学習成績格差」であり、Dr. Chea Phal所長の指導の下、私は性別間の学習成果の世界的な格差を明らかにするため、STATA を用いて PISA 2022 データセットを分析しました。データクリーニングと量的分析を通じて、私は数学、読解、科学の3つの主要科目における性別間の成績格差を明らかにしました。分析の結果、すべての調査対象国で、女子が読解力において優れた成績を示すという一貫した傾向が見られた一方で、数学力については、大半の国で男子が女子を上回る傾向が明らかになりました。

また、カンボジアの中等学校におけるICT教育についても現地調査を行い、公立高と私立高を訪問しました。具体的には、プノンペンの私立校であるWestline High Schoolにて、校長と12年生の学生にインタビューを行い、カンボジアの教育の幅広い背景を把握し、授業におけるICTの利活用の状況を観察しました。さらに、プノンペンの公立中等学校であるNew Generation Preah Sisowath High Schoolでは、学生のICT能力を評価し、授業活動にも参加しました。現地調査から得られた知見と教員との活発的な議論を通じて、私はカンボジアの中等学校におけるICT教育に関する報告書を完成させました。

以上のように、本インターンシップは、性別による学力格差と教育分野におけるICTの導入という大変興味深いテーマを掘り下げる貴重な機会となりました。ワークショップ、データ分析、現地調査を通して、カンボジアが抱える教育課題と今後の可能性について実践的な観点からも理解を深めることができました。

末筆になりますが、本インターンシップを受け入れて下さったDr.Chea Phal所長、多大なご支援をしてくださったカンボジア教育省(MoEYS)の政策・計画局Dr. Lim Sothea局長、このような貴重な機会を設けて下さいました指導教員である小川啓一教授にこの場をお借りして拝謝申し上げます。

文責:Siyu Lyu(博士前期課程)