マラウイ大学およびマラウイ教育省インターンシップ報告(五島 由加里)

2014 年7月15日~10月3日までの約3か月間、マラウイ大学教育研究訓練センター(Center of Education Research and Training, University of Malawi、以下CERT)と教育省基礎教育局(Basic Education Department, Ministry of Education、以下MoE)においてインターンシップを執り行いました。主な活動内容は修士論文執筆に必要な情報の収集と両機関の行う活動への参画でした。以下、その報告をさせていただきます。

goshima37月15日より、CERTに所属しました。CERTはマラウイ大学に1991年に設置された研究機関であり、質・量的な手法を用い、教育に関する調査や評価活動を行っています。早速、第一週目にCERTとUNICEFが行うChild Friendly Schooling(CFS)プロジェクト評価のための聞き取り調査に同行し、マチンガ地区の農村部の小学校を視察しました。前回のインターンシップの際に果たせなかった「農村部の最終学年まで有さない学校を視察する」という目標が達成でき、農村部の生徒や教員の様子、学校設備や学校周辺地域等々を視察しました。最終日には自身の研究テーマに関する教員に簡易な調査も行うことができ、最終月に行う予定であった聞き取り調査の指針がはっきりさせる上で、有意義な調査同行となりました。翌週からは、マラウイ大学にて資料収集を行うとともに、National Statistic Office(NSO)、Malawi National Examination Boards(MANEB)等、CERTが位置するゾンバ地区の教育関連機関を訪れ、情報とデータ収集に注力しました。

8月4日より、リロングウェ市に移動し、インターンの場をMoEへと移しました。基礎教育に関する最新の政策文書の収集とともに、初等学校教員に関連する部署の方々にインタビューを行い、現行政策の詳細や問題点、今後の展望などについて伺いました。インタビューによって、より具体的に教員を取り巻く環境を理解することができました。また、8月20〜22日マラウイ大学が行う教育に関する国際会議に出席し、自身の研究テーマだけではなく、多言語教育やインクルーシブ教育など、マラウイの抱える多岐にわたる問題に関する知識を吸収する場となりました。多くの研究者、関係者の方と交流するまたとない機会であり、たくさんの刺激を受けることができた貴重な機会でした。

goshima29月8日より再びCERTに戻り、インタビュー調査に使用する質問表を前回に引き続き、今回もインターンのスーパーバイザーであったDorothy Nampota博士の指導のもと完成させました。前年度のインターンシップの際にもNampota博士に自身の研究内容について指導していただいていたため、前回の質問表よりも詳細なものをスムーズに作成することができました。その後一週間に渡ってムランジェ地区の小学校を回り、ターゲットとしていた前年度に8年生(最終学年)を担当していた教員より、一人当たり約一時間ずつじっくりとインタビューすることができました。積極的に解答してくれくださる教員の方ばかりで、時間の長さ以上に実りのあるインタビューとなりました。また、ドマシ地区に位置するMalawi Institute of Education(MIE)を訪問し、初等教育や教員教育で使用されている教科書や教員の為のガイドブックの作成現場を見学しました。教員養成に関する教科書等を作成されている関係者の方々からお話を伺い、修士論文のヒントを得ることが出来ました。

末筆ではありますが、このような素晴らしい機会をくださった指導教官の小川啓一教授、そしてインターンとして受け入れを認めてくださり、昨年度に引き続き温かな支援をしてくださったマラウイ大学CERTセンター長のDorothy Nampota氏、今年度よりインターンの受け入れをしてくださったMoE基礎教育局長のJoseph Chimombo氏に心より感謝しております。また、CERT研究員・MoE基礎教育局スタッフの方々、インタビュー調査にご協力いただきました各機関の皆様、小学校教職員の方々、並びに関係者の皆様すべてに感謝申し上げます。

博士課程前期課程2年
五島 由加里