開発運営論セミナー「東アジア太平洋地域における能力基準標準・資格枠組みの構築」が開催されました

2015年6月23日(火)、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室にて、開発運営論セミナーが開催されました。同セミナーでは、小川啓一教授が司会を務め、世界銀行本部より上級教育スペシャリストであるリアン・シャオヤン博士を講師としてお迎えし、東アジア太平洋地域における能力評価基準・資格枠組みの実態や構築状況について講義をしていただきました。同セミナーの冒頭において、シャオヤン博士は本研究科の小川教授と以前から知り合いであること、1990年から2000年頃まで世界銀行本部で共に働いていた経験があることを私たちに教えてくださいました。

本セミナーの本題では、シャオヤン博士は現在世界銀行が実施している研究プロジェクトの目的や実施状況について説明をしてくださいました。スキル・デベロップメントや職業技術教育・訓練(TVET)の発展は東アジア地域における世界銀行の教育開発戦略に掲げられた目標の1つであること、そして、同研究プロジェクトは特に東アジア地域において、国家の資格枠組み及び能力評価基準に関する各国の実施状況やその資格枠組みや評価基準制度の構築に当たっての問題点についての知見を集積することを目的としていることを共有してくださいました。

東アジア地域が能力評価基準や国家資格枠組みの構築状況の事例として取り上げられた理由の1つとして、世界の人口の約30%が同地域に住むことが挙げられます。また、他の地域に比べて国際移住の程度が少ないこと、そして、教育から雇用へのトランジションに関する様々な問題―都市化、不安定な雇用状況、経済格差、教育格差、資格基準制度の整備が整っていないこと、必要とされるスキルとニーズのミスマッチ―があることも理由として挙げられています。なかでも、国家資格枠組み制度構築の成功事例として取り上げられた国はマレーシアでした。マレーシアは同制度を2007年から導入をしており、マレーシアにおける同制度での経験は、他の東アジア地域において類似の制度が導入される際の参考にされることが期待されます。

本セミナーの最後に質疑応答が行われた際、主な議論の焦点となったのは他の地域における国家資格枠組み制度の実施状況や制度の概要についてでした。

文責:国際協力研究科博士課程後期課程 島田 健太郎

関連リンク
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/event/2015_06_23_01.html