カンボジア教育ユース・スポーツ省におけるインターンシップ報告(畑 杏奈)

2018年9月11日(火)から25日(火)までの約2週間、カンボジア教育ユース・スポーツ省(以下、教育省) 計画局のSothea Lim局長の下でインターンシップを実施しました。以下、その報告をさせていただきます。

私は教育省の計画局に配属され、カンボジアの幼児教育に関する調査を行いました。具体的に以下に挙げる活動をさせていただきました。 (1)教育省のSothea Lim 局長及び就学前教育局の幼児教育専門家のMony氏にインタビュー、(2)UNESCOプノンペン事務所、Save The Childrenカンボジア事務所で意見交換、(3)私立幼稚園を5カ所訪問し、教員と保護者を対象に質問紙調査を行い、校長先生と教頭先生にインタビューを実施しました。

(1) に関しては、Sothea Lim局長に教育政策に関するインタビューを行いました。事前に教育省のプロジェクト予算に関する資料収集を行い、それに基づいて質問リストを作成し教育省に提出しました。主に、教育省傘下の計画部門、政策部門、教育管理情報システム(EMIS)部門、モニタリング評価部門の年間目標と実施計画に関する意見交換を行いました。また、幼児教育専門家のMony氏へのインタビューでは、主にカンボジアの農村部の幼児教育の質と地域連携向上の取り組みについて伺い、教育省の重点分野と課題を明確にすることができました。

(2) に関しては、UNESCOプノンペン事務所とSave The Childrenカンボジア事務所(以下、SC)を訪問し、教育専門家の方々と意見交換を行いました。UNESCOでは、教育部長のSantosh氏にインタビューを行い、カンボジアの幼児教育政策および予算策定にUNESCOがどのように関与しているか、理解を深めることができました。Save The Children カンボジア事務所では、SCが農村部で展開している、Home-Based Programについてインタビューを行いました。SCが実施している子どもの能力テスト(IDELA)や保護者向けのアンケート調査結果について、意見交換を行いました。

(3) に関しては、首都プノンペンにある5カ所の幼稚園を訪問し、各幼稚園の教員と保護者を対象に、保護者の関与に関する質問紙調査を実施しました。また、校長先生および教頭先生に、幼稚園カリキュラムの特徴、幼稚園と保護者の関与の強化活動の実施状況等についてインタビューを行いました。これにより、カンボジアの私立幼稚園の実態や保護者の関与における課題への理解を深めることができました。

本インターンシップは、約2週間という短い期間でしたが、国際協力研究科で学んだ知識とスキルを、現場で実践する貴重な経験となりました。カンボジア教育省の政策に対する理解を深めるとともに、他の国際機関の最新の動向を学び、また幼稚園の現場を視察し調査を実施することで、政策と現場の双方の視点から、カンボジアの幼児教育課題を考察することができました。今後修士論文を執筆するにあたり、現場で得た情報と知見を最大限に活かしていきたいと思います。

末筆になりますが、カンボジア教育省でインターンシップを受け入れてくださった計画局のSothea Lim局長、多大な支援をいただいた計画局職員の皆様、そしてこのような貴重なインターンシップの機会を提供してくださった指導教員の小川啓一教授、その他調査にご協力いただいた全ての方々に心より拝謝申し上げます。

文責:畑杏奈(博士課程前期課程1年)

      

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