GSICS教育系ゼミの教員による共著論文が『国際協力論集』に掲載されました

このほど、神戸大学大学院国際協力研究科(GSICS)で教育系ゼミを担当する近田政博教授、山内乾史教授、小川啓一教授による共著論文「コロナ禍において外国教育研究を行う大学院生が直面する課題」が、『国際協力論集』第 29 巻第 2号(2022年1月)に掲載されました。

2020年春から世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、GSICSを含む多くの教育・研究機関は対面授業からオンライン授業へと移行を図りました。また、海外渡航は制限され、多くの学生が現地調査の実施が困難な状態で学位論文の執筆に臨むことになりました。こうした状況下で大学院における研究指導の在り方を問い直すことは、外国の教育課題を扱う「比較教育学」において重要な意義を持つと考えられます。そこで本研究は、大学院生の窮状を把握し、どのように研究科および教員として工夫・支援できるかを検討することを目的としています。

本研究では、教育系ゼミに所属する大学院生14名へフォーカス・グループ・インタビューを実施し、1) コロナ禍で学生が直面する課題、2) その課題への対応、3) 研究科や教員に求める支援、を調査しました。調査の結果、コロナ禍で現地調査ができない中で研究テーマの変更を余儀なくされたり、2次データにもと基づく研究手法に切り替えたりと、それぞれが対応している様子が描き出されました。また、人との交流が少なくなった中、孤独のうちに課題に対応し、思い描いた研究計画を修正しなければならないという強い心理的な不安が確認されました。

本研究の成果は2021年6月に開催された日本比較教育学会の第57回大会で発表され、同様の課題に直面する他大学の教員に対して有益な知見・経験の共有となりました。

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文責:八木 歩(博士課程前期課程2年)