カンボジア教育ユース・スポーツ省におけるインターンシップ報告(郭 潤婧

 2023年2月6日から同月24日までの3週間、カンボジア教育ユース・スポーツ省(以下、教育省)計画局His Excellency Dr. Sothea Limの下でインターンシップを実施しました。以下、その報告をさせていただきます。

 私は教育省の計画局に配属され、カンボジアの中等教育に関する調査を行いました。具体的には以下の活動をさせていただきました。1. 教育計画局での政策文献のレビュー及び関係者へのインタビュー調査、2. 公立中等学校5校の訪問、教員への質問票調査及びインタビュー、学校長へのインタビュー調査、3. 教育省のプロジェクト調査への同行、4. UNICEFプノンペン事務所でのインタビュー調査を実施しました。

 1つ目の活動として、教育省が収集したデータや政策文書、レポートなどの資料をレビューしました。また、資料のレビューを基に、His Excellency Dr. Limや計画局職員の方々にインタビュー調査を実施しました。インタビューでEducation Strategic Plan 2019-2023 (ESP 2019-2023)、教育予算、教員の能力開発や、COVID-19感染拡大後の現状について伺ったことで、近年のカンボジアの教育に関する現状と課題を深く理解することができました。

 2つ目の活動として、プノンペン市内の公立中等学校3校と、カンポット州の公立中等学校2校を訪問し、質問票及びインタビュー調査を行いました。具体的には上記5校で、教員のモチベーション及びプライベート・チュータリングに関する質問票を合計50枚ほど配布・回収しました。各学校の教員へのグループインタビューや学校長へのインタビュー調査を通じて、プライベート・チュータリングの現状及び教員のモチベーションに関する知見を広げることができました。

 3つ目の活動として、教育省のESP2019-2023実施に関するインタビュー調査に同行させていただきました。教育省州支部の方々やカンポット州の公立中等学校の学校長にESP2019-2023の実施に関してインタビュー調査を行いました。地方が直面する課題を知る貴重な経験となりました。

 4つ目の活動として、UNICEFプノンペン事務所を訪問し、教育専門家にインタビュー調査を行いました。カンボジア政府にどのような支援を行っているのか、特に教師の質を向上させるためにどのような活動を実施しているかについて伺いました。国際機関からカンボジアの教育に関する情報を得たことで、カンボジア政府だけではなく国際機関の役割について理解を深めることができました。

 本インターンシップは、教育省計画局の温かいご協力のもとで、カンボジアの中等教育の現状と課題について理解を深めることができ、大変貴重な経験となりました。本インターンシップを通して、教育省の政策への理解を深めるとともに、教育現場の実情を把握することができました。今後修士論文を執筆するにあたり現場で得た情報と知見を最大限に活かしていきたいと思います。

 最後に、カンボジア教育省でインターンシップを受け入れてくださったHis Excellency Dr. Lim、多大な支援をいただいた計画局職員の方々、そしてこのような貴重な機会を提供してくださった指導教員の小川啓一教授、その他調査にご協力いただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。

文責:郭 潤婧(博士前期課程2年)