ケニヤッタ大学におけるインターンシップ報告(古谷 優佳)

2023年8月1日から10月20日までの約3か月間、ケニアのケニヤッタ大学においてインターンシップを実施しました。以下その報告をさせていただきます。

私はケニヤッタ大学教育学研究科のLecturerであるDr. Francis Likoye Malenyaのもとで、ケニアの初等教育における自律型学校運営と児童の学力の関係性に関する調査のため、主に以下に挙げる活動を実施させていただきました。(1)研究計画の作成及び現地調査の準備、(2)小学校を9校訪問し、校長・副校長・学校運営委員・保護者へのインタビュー調査を行い、教員に対しては質問紙調査を実施しました。本インターンシップは、文部科学省、独立行政法人日本学生支援機構及び民間企業との協働で行われている「トビタテ!留学JAPAN~新・日本代表プログラム~」の支援により派遣していただきました。

1つ目の活動では、研究計画の作成及び現地調査の準備として、Dr. Francis Likoye Malenyaに研究概要と現地調査計画を発表し、頂いたコメントをもとに研究計画の修正や文献レビューを行いました。また、現地調査で使用するツール(質問紙、インタビューガイド、倫理的配慮に関する書類等)を作成しました。研究計画の作成では、研究で使用する概念や枠組みに対するコメントを頂いたことで、研究の焦点が明確になりました。文献レビューでは、学校運営に関する法律であるEducation Act 2013を精読し、学校運営員会とPTAの委員の選定や活動内容についてどのように法律で定められているのかを理解することができました。現地調査の準備として行ったツールの作成では、Dr. Francis Likoye Malenyaのご指導のもと、ケニアの文脈にあったツールの作成ができるよう努めました。

2つ目の活動では、ナイロビ県とキアンブ県の小学校9か所を訪問し、各小学校の校長・副校長、学校運営委員、保護者を対象に自律型学校運営と児童の学力の関係性についてインタビュー調査を行いました。さらに、教員に対して学習環境に関する質問紙調査も行いました。現地調査では、研究テーマに関連することだけでなく、調査をする上でどのような手続きが必要なのか、インタビュー調査ではどのように質問を投げかけるのか等、多くの学びがありました。

本インターンシップは、先行研究レビューでは見えてこなかった課題や現状について理解を深める大変貴重な機会となりました。国際協力研究科の授業で学んだことを実際に調査に応用する経験ができたことも、非常に良い経験でした。修士論文では、本インターンシップで学んだことを反映していきたい所存です。

末筆になりますが、ケニヤッタ大学でのインターンシップを受け入れ、調査を行うために多大な支援を頂いたDr. Francis Likoye Malenya、ケニアへの渡航・滞在を支援してくださったトビタテ!留学JAPANの事務局・支援企業及び団体・関係者の皆様、そしてこのような素晴らしい機会を提供してくださった指導教員の小川啓一教授、その他調査にご協力頂いた全ての方々にこの場をお借りして拝謝申し上げます。

文責:古谷優佳(博士課程前期課程2年)