国際連合工業開発機関 東京投資・技術移転促進事務所におけるインターンシップ報告(渡部美代子)

2025年7月1日から9月30日の約3ヶ月間、国際連合工業開発機関(UNIDO)東京投資・技術移転促進事務所(ITPO Tokyo)にてインターンシップを実施しました。本インターンシップでは主に (1) TICAD 9関連業務、 (2) 大阪・関西万博でのステージイベントと展示エリアの業務、 (3) 各種報告書作成と企業向け説明会の運営についてのサポートに携わりました。これらの活動を通して、国際機関における業務の進め方や多様な関係者との協働の在り方について理解を深め、今後のキャリア形成においても非常に重要な経験となりました。以下、その報告をさせていただきます。

国際連合工業開発機関とは、開発途上国と呼ばれる国々や市場経済へ移行している国々に対して、包摂的で持続可能な産業開発を促進し、持続的な経済の発展を支援する国連の専門機関です。その中でも東京投資・技術促進事務所は、日本からの直接投資や技術移転を促進することを目的に設立されました。主な事業内容としては、①政府機関の幹部や担当官を招聘し日本での情報提供や個別相談の実施、②途上国、新興国向けの投資・技術移転セミナーの実施、③展示館参加等での日本の優れた技術を途上国、新興国向けに紹介、④途上国、新興国の視察団や在京大使館を対象としたセミナー・ワークショップの開催や視察のアレンジ、⑤機関誌の発行、プレスリリース、ホームページなどを通じた情報提供サービスなどを実施しています。

(1) TICAD 9関連の業務サポート

TICAD 9関連業務としては主に、各種ロジスティクス調整とUNIDOが主催するテーマ別イベントやTICADパートナー事業のイベント準備に携わりました。ロジスティクス調整では、スタッフスケジュールの更新やUNIDOウィーン本部から来日した事務次長に関わる調整業務・資料作成を行いました。イベント準備では、イベント案内のニュースレター作成やフライヤーの作成、アフリカ各国大使館へのインビテーションレターの作成などを担当し、国際機関が発行する公式文書の書き方を学びました。イベント当日は会場設営や受付、ゲストの誘導などの現場運営全般をサポートし、国際会議の調整業務の実務を経験することができました。また、TICAD 9期間中には他の機関・企業などのブースやイベントにも参加する機会をいただき、アフリカ開発に関わる多様な取組や日本との連携の在り方について理解を深めることがでました。

(2) 大阪・関西万博でのステージイベントと展示エリアの業務サポート

UNIDO東京事務所は、「自然・賢い・手が届く(Natural, Smart & Affordable)」をキーワードに、ステージイベントと「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」登録技術の展示を行いました。このステージイベントと展示では、開発途上国でも導入しやすい日本発の技術を通したソリューションを紹介しました。展示の事前業務としては、登壇者との連絡・調整業務、ブリーフィング資料作成、ステージイベントシナリオの更新を主に担当しました。会期中は展示エリアに来場された方々に、展示されている日本の技術の説明やUNIDOの役割と東京事務所の紹介を担当しました。日本の技術の素晴らしさを改めて実感するとともにそれらの技術が開発途上国の社会課題の解決にどのように貢献できるかを具体的に考える機会となりました。

(3) 各種報告書作成と企業向け説明会の運営サポート

上記業務に加えて、HPに掲載する各種イベントレポートや年次報告書の下書き作成、各種パンフレットのプルーフリーディングなども担当しました。これらの業務を通じて、国際機関における情報発信の構成や日英での表現方法を学びました。また、UNIDO東京事務所が主催した企業向け説明会では、当日の会場設営サポートや受付・資料配布などの業務を行いました。本説明会の対象であったカリブ地域は今まで馴染みがなかったのですが、外務省、JICAといった関係者ならびに民間企業の担当者から直接お話を伺える貴重な機会となりました。カリブ地域の現状と開発課題に加えて、日本企業が持つ技術をいかに展開できるかという支援の可能性について理解を深めることができました。

本インターンシップは、今後のキャリアを考える上でも非常に有意義なものとなりました。今までは教育に特化して研究をしてきましたが、教育を受けたその先の人生や生活にも目を向けることができ、視野を広げることができました。また、UNIDO東京事務所内だけでなく、他の国際機関のスタッフ・インターンとも交流する機会をいただき、国際機関で働くこと目指す上で貴重なお話を伺うことができました。インターンシップを通じて得た経験・知見・人脈は、今後の研究活動やキャリア形成において大きな糧になることはもちろんのこと、国際協力の現場において自らの専門性をより広い文脈で捉える契機ともなりました。

末筆ながら、このように貴重な機会をご提供してくださったUNIDO東京事務所の足立文緒所長、Ferda Gelgen次長、村上秀樹次長をはじめとするUNIDO東京事務所の皆様、本プログラムへの応募から参加までを後押ししてくださいました小川啓一教授、本インターンシップを支援してくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。

文責:渡部美代子(博士前期課程)