ソウル国立大学名誉教授の金基奭先生が小川先生の「Human Capital Development」の授業で講義をされました

2014年6月3日(火)の午後5時より、神戸大学大学院国際協力研究科棟6階のシミュレーションルームにて金基奭(Ki-Seok “Korbil” Kim)先生が講義をされました。金先生はソウル国立大学(Seoul National University)名誉教授であられ、今年の4月から神戸大学客員教授として韓国の高等教育について研究を行っていらっしゃいます。

ご講義のタイトルは「A Critical Appraisal: Human Capital & Resources Development, for Whom and What」で、英語で行われました。小川啓一先生のご講義「Human Capital Development」を受講している大学院生の他に、「人的資源開発論」の講義を履修している大学院生も参加しました。

KimSensei 本講義で金先生は、まず韓国の社会経済発展の歴史を概観した上で、韓国の教育がどのように発展してきたかについて解説されました。次に、韓国の基礎教育における生徒の学力や高等教育が世界的に見ても優れていること、また一方で教育費の家計負担が大きいことなどの課題も指摘されました。加えて、金先生が会長を務められている「Educators without Borders(EWB)」のブルキナファソでのプロジェクト「Global Alliance for Poverty Alleviation (GAPA)」を事例に、どのようにして極度の貧困の中にある女性をエンパワメントしていくかについて紹介されました。最後にポストEFAの課題として、「LifeLonglearning」、即ち学校教育のみならず職業教育等も含めた長期的視点で教育を考えていく必要がある、との示唆をなされました。

金先生からの、ご自身の広範な知識と様々な実践のエッセンスが詰まった、問いかけも交えながらの講義を学生は興味深く聞いていました。私自身も、隣国であるにも関わらず韓国の教育発展の過程については知らないことが多く、ポストEFA/MDGsの潮流の中でどのように教育開発を行なっていくべきかを再考する大変貴重な機会となりました。金先生、本当にありがとうございました。金先生のご講義をアレンジくださった小川先生にも感謝いたします。

(文責:神戸大学国際協力研究科博士前期課程1年 沼澤 建