国際開発学会第35回全国大会(法政大学)が開催されました
2024年11月9日(土)から11月10日(日)の2日間にわ...
2022年3月4日から4月30日までの2ヶ月間、UNICEFニューヨーク本部にてPeggy Kelly博士 のご指導のもとでオンラインインターンシップを実施しました。以下、その報告をさせていただきます。
本インターンシップは、UNICEF報告書作成に向けた教育とジェンダーに関するリサーチを目的として以下の活動を実施しました。活動内容は、教育とジェンダーについてのデータ分析と文献整理の2点です。世界銀行とUNESCOの教育統計データを使用し、世界各国の基礎的な読解力とNEETの割合を男女別に計算をし、地域ごとの分類表を作成しました。作成した表から女性が男性に比べて基礎的な読解力が優れている一方で、学校に通えず働く機会もなく、また職業訓練も受けることができない所謂NEETになりやすい傾向があることを示しました。どのような背景が関係しているのかを国際機関の報告書及び当該分野の先行研究を通じて突き止めました。
以上のリサーチ業務を通じて学び得たことは2点あります。1点目は、自身が所属する機関の視点、基準、標準に沿ってリサーチを実施し、分析することの重要性です。例えば、データ分析の際に地域ごとでデータをまとめる際に、どの国際機関の標準や基準に合わせるかによって分析の視点や見方が変わることを学びました。特に今回インターンシップを実施させていただいたUNICEFでは低所得国に着目することを重視しているため、文献整理の際もどのような低所得国の事例を挙げながら議論を展開するのかという視点を常に考える必要があることを学びました。2点目は、マルチタスクスキルと分析スキルの重要性です。インターンシップと大学院のコースワークを両立していくために、自分自身で緻密な計画を立て、同時に様々な仕事を進めていくスキルが必須であること、さらに、分析スキルも国際機関で活躍していくために不十分であることを強く感じました。基礎的な統計分析を理解していることも一つの重要なスキルですが、それ以上に何が課題であり、どうアプローチしていくのか、その課題に付随するいくつかの解決のための選択肢は何であるのかというような問題解決能力が分析を形づくるうえで非常に大切であると本インターンシップを通じて学ぶ得ることができました。
末筆になりますが、オンラインインターンシップを受け入れてくださったUNICEF本部上級アドバイザーの水野谷優先生、UNICEF本部教育統計スペシャリストのPeggy Kelly博士、そしてこのような貴重なインターンシップの機会を提供して下さった指導教員の小川啓一教授に心より拝謝申し上げます。
文責:石井雄大 (博士課程前期課程2年)