高麗大学校 国際大学院でのダブルディグリープログラムの経験(柴田菜摘)

私たちは2023年3月から2024年2月までの約1年間、高麗大学校国際大学院にてキャンパスアジア・プラス・プログラムの一環であるダブルディグリープログラムに参加しました。以下、その報告をさせていただきます。

キャンパスアジア・プログラムは日中韓三国の協働教育プログラムで、神戸大学は2011年度から中国の復旦大学、韓国の高麗大学校と「大学の世界展開力強化事業」を実施しています。これまで、キャンパスアジア・プログラムの一環のダブルディグリー、交換留学、短期研修等を通じてリスクマネジメントの専門家を育成してきました。2021年以降、タイのチュラロンコン大学とラオスのラオス国立大学が事業に加わり、キャンパスアジア・プラス・プログラムとして質の高い双方向交流を行うプログラムとなりました。

このようなプログラムのもと、私たちは高麗大学校(Korea University)の国際大学院(Graduate School of International Studies: GSIS)にダブルディグリー生として在籍し、International Development and Cooperation (IDC)を専攻しました。GSISには国際開発協力や国際平和、地域研究など多様な分野を学ぶ環境が整っており、異なる専門性を持つ世界中の優秀な学生と共に学び合えることが特長です。

私たちは神戸大学で教育経済、教育開発を専門に学んでいますが、GSISでは国際政治や国際関係により焦点が置かれた講義を受講し、1年間を通して9科目25単位を取得しました。具体的には、必修科目であったWorld PoliticsやComparative Foreign Policy、Case Analysis of International Organizationsに加え、自由選択科目のPolicy Evaluation、Southeast Asian Economy、ASEAN and Southeast Asia、Korean Languageを受講し、より多角的な視点で政治経済、歴史の知見を高めることができました。

修士論文ではCuz Potter教授にご指導いただき、定期的な面談と論文の添削をしていただきました。12月に無事修士論文を提出し、2024年3月には国際学修士(Master of Arts in International Studies)を取得予定です。Potter教授は非常に多忙な中でも真摯に私たちの研究に向き合ってくださり、私たちも研究面、精神面でサポートしていただきながら、計画的に論文執筆を終えることができました。

秋学期には、Risk Management and International OrganizationsとExploring International Practices and Opportunitiesと銘打って、キャンパスアジア生を対象とした2シリーズのプログラムが行われました。OPCW (Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)やOECD (Organizations for Economic Cooperation and Development) の職員の方から特別講義を拝聴する機会や、World Knowledge ForumとInternational Organizations Job Fairに参加する機会、World Bank Koreaオフィスを訪問する機会をいただきました。留学をしながらこのような貴重な体験ができる点も本プログラムの魅力の一つです。

末筆になりますが、神戸大学の指導教員である小川啓一教授、高麗大学校での指導教員であるCuz Potter教授、神戸大学と高麗大学校のキャンパスアジア・プラス・プログラム担当の先生方、私たちの留学生活を支えてくださった皆様に、この場をお借りして心より拝謝申し上げます。高麗大学校での留学経験を糧に、今後も研究活動に励んで参ります。

文責:柴田菜摘(博士課程前期課程2年)