カンボジアの開発資源研究所におけるインターン報告(藤原真美)

2022年9月1日から2023年2月28日の半年間、カンボジア開発資源研究所(Cambodia Development Resource Institute (以下「CDRI」)の教育セクターにおいて、Phal Chea博士(シニアリサーチフェロー)のもとでインターンをさせていただきました。主なインターンの内容は、(1)カンボジアの高等教育政策と中期計画文書に関するレポート作成補助、(2)カンボジアの高等教育における教員の関与に関するワーキングペーパーのレビューとコメント、(3)研究会等への参加の3つです。

それぞれ具体的な内容として、(1)では、これまでのカンボジアの高等教育政策をまとめるために、カンボジアの高等教育に関する政策及び中長期計画文書及び実施状況のレビューを行いました。その後、マレーシアやタイを含む近隣諸国における高等教育政策の比較を行いました。アジア圏の高等教育の比較をすることで、カンボジアの中央集権型の教育システム改善をどのように取り組んできたのか、カンボジアの教育システムの強みや課題を改めて理解することができました。(2)ではカンボジアの高等教育おける教員の関与についてワーキングペーパーのレビューを行いました。ここでは、まず私自身が教員の関与に関する理解を深めた上で、ペーパーの内容検証を行いました。この経験を通して、これまでに触れることのなかった質的研究のアプローチやサンプリング方法を学ぶことができました。最後に(3)では、定期的に行われる研究会やワークショップに参加し、カンボジアにおける教育全体の動向や昨今注目されている中高等教育の教員の関与について学びました。CDRIのPhal博士や職員の方との定期的なディスカッションを通してCDRIの方々の問題意識や知見に触れることができました。

今回のインターンシップを通して、私は高等教育に関わる分析方法などを会得しました。また、職員の方々とのディスカッションを通して、カンボジアの中高等教育は個人の学力や教員の資質など密接な関係にあることが分かり、自分の研究トピックに対する知見を広げることにもつながりました。ペーパーの内容の検証では、内容に一貫性を持たせるために常にロジカルに読み、考え、コメントをする訓練になったのはもちろんのこと、高等教育に対する新たな視点を学ぶことができました。このことは、多角的な視野を持ち研究に取り組むことの大切さを学ぶ機会となりました。

末尾になりますが、カンボジアでのインターンシップを快く受け入れてくださったPhal Chea博士、CDRI職員の皆様、そしてこのような貴重な機会を提供してくださった小川啓一教授やご協力頂いた全ての皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

文責 : 藤原真美(博士課程後期)