「外部資金を活用した改革の定着:国際協力機関の課題とアプローチ」(Gita Steiner-Khamsi教授)

2024年4月18日、国際協力研究科にて、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ Gita Steiner-Khamsi教授をお招きし、セミナーを開催いたしました。本研究会でGita Steiner-Khamsi教授は、「外部資金を活用した改革の定着:国際協力機関の課題とアプローチ」と題した講演を行いました。Gita Steiner-Khamsi教授は、はじめに、教育改革の中でも教育財政、教育の分権化、学校レベルでの説明責任といった教育の質の向上ための根幹となる改革の重要性について言及する一方で、改革の経年変化や段階的な廃止の観点からも課題が山積みしていることを強調されました。

次に、ドナーや政府間での協力を通じた援助の有効性の向上と、それに伴う制度化・組織化の促進についての議論を展開し、アジア開発銀行(ADB)を事例とした政策転換のためのプロジェクト形成、教育のためのグローバルパートナーシップ(GPE)を例としたカリキュラム改革、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)のを例とした政策の形成、遂行、評価のローカリゼーション化など、国際協力に関係する援助主体の取り組みを正の側面と負の側面の両方の観点から言及されました。最後に質疑応答では、援助主体の途上国に適した財政的支援のあり方、学校の権限委譲、国々間における教育政策の功績の共有や教育の地方分権化に関する今後の展望についてなどの多くの質問が挙がり、多くの知見を深める有意義な研究会となりました。

IMG 6335

文責: 石井雄大 (博士後期課程),  大河原 陸人 (博士前期課程)