JICA本部評価部におけるインターンシップ報告(八木 歩)
2022年2月4日から3月31日までの約2ヶ月間、国際協力機...
2024年4月20日、国際協力研究科にて、バングラデシュ・ダッカ大学副学長のMaksud Kamal教授をお招きし、セミナーを開催いたしました。本研究会でMaksud Kamal 教授は、「バングラデシュにおける気候変動と脆弱性評価」と題した講演を行いました。
はじめに、気候変動と地球温暖化がどのように定義され、相互がどのようなメカニズムで関係しているかについて言及しました。次に、気候変動に関する国際レベルの協定として気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)について概説し、温室効果ガス排出国や産業別の排出量の実態に加え、海上レベルの上昇、異常気象、健康被害など地球温暖化が今後どのような影響をもたらすのか、科学的な知見から意見を述べられました。また、バングラデシュを事例として、同国が直面している人口過密や食糧確保などの社会経済の課題と河野氾濫や干ばつなどの自然環境の問題を詳細に指摘し、課題克服のための取り組みや事例を提示いただきました。加えて、バングラデシュの国家戦略の一つであるデルタ計画を例に、環境問題と経済成長という二つの相反する状況をどのように維持していくのか、中長期戦略や今後の国策のあり方、国際協調の重要性を述べられました。
最後に質疑応答では、国内外の大学院生、研究者、専門家などによる活発な議論が交わされました。先進国や途上国といった立場の異なる国々間の環境問題に対する考え方や取り組み方、バングラデシュと近隣諸国間の協調についての議論が展開され、地球温暖化や気候変動について国際レベル、国家レベル、個人レベルで成すべきあり方に関する知見を得ることができた大変貴重な研究会となりました。