キャンパスアジア・プラス・プログラム 復旦大学 国際関係・公共事務学院での経験 (小池拓実)

2023年8月から2024年6月まで、中国の復旦大学国際関係・公共事務学院におけるInternational Public Policy (以下、IPP) プログラムでダブル・ディグリー留学を行い、公共管理学修士号を獲得しました。IPPプログラムでは、公共政策学や研究方法論についての講義が必修科目として開講されており、他のプログラムで開講されている興味のある科目を任意で受講することも可能です。これらの講義は英語で開講されており、さらに中国でも有数のトップ大学である復旦大学での講義はとても刺激的で、自分の知識や専門性の幅を広げる有意義な経験となりました。

ダブル・ディグリー留学の大きな特徴は、留学中の1年間でコースワークと並行して修士論文の執筆を行う点です。復旦大学では、修士論文の審査として合計4回(Proposal Defense: 9月下旬、Pre-Defense: 3月上旬、Blind Review: 3月中旬、Final Defense: 5月下旬)が設けられており、全ての審査で論文の質が評価されます。コースワークをこなしながらすべての論文審査を通過することは容易ではありませんが、各審査の際には審査員の教授方から研究に対するコメントをいただくことができます。留学中は、これらのコメントに基づいて論文を修正し、次の審査に向けて準備するという作業を繰り返していました。また、指導教官であるZhang Ping教授は論文のテーマ設定から分析の方法論についての議論などを積極的に行ってくださいました。当時を振り返ると、指導教官を含む様々な教授方からいただいたコメントを基に論文を修正する作業の積み重ねが、自分の研究能力を大幅に向上させてくれたと感じています。

キャンパスアジア・プログラムを利用した留学では、他大学のキャンパスアジア生との交流ができる点も魅力的でした。例えば、神戸大学、復旦大学、高麗大学が共同主催するキャンパスアジア・プラス・シンポジウムでは、学生が研究内容の進捗を発表する機会があり、参加している教授や学生と研究を通じて交流することができました。また、北京大学を訪問するスタディ・ツアーに参加した際には、北京大学に留学しているキャンパスアジア生と関わることもできました。お会いしたキャンパスアジア生は、日本、中国、韓国の国籍を有する学生で、その多くが自国以外での留学経験を有していました。そのため、話し始めてすぐにお互いの国の文化についての話題で盛り上がり、交流を深めることができました。

末筆ながら、本留学への参加に対する助言から研究指導まで多大なるご支援を下さった小川啓一教授、復旦大学での指導教官として論文執筆に多大なる助言をくださったZhang Ping教授、このような素晴らしい機会を提供してくださった神戸大学キャンパスアジア室の中原雅人助教、逢坂様、そしてキャンパスアジア・プログラムに関わるすべての方々に心より感謝申し上げます。

文責:小池拓実(博士課程前期課程)