ワシントンDCで開催されたCIESの第59回国際大会において小川ゼミ生が研究成果を発表しました
2015年3月8日(日)から13日(金)まで、米国ヒルトン・...
2024年11月18日、神戸大学国際協力研究科にて、UNESCO・ジャカルタ地域事務所の所長である林川(勝野)眞紀氏をお招きし、キャンパスアジア・リスクマネジメントセミナーを開催いたしました。UNESCO・ジャカルタ地域事務所は、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、東ティモールの東南アジア5か国を管轄する事務所であり、教育、科学、文化、コミュニケーションと情報、社会・人文科学といった幅広い分野で事業を展開しています。
本セミナーでは、「2030年までにSDG 4を東南アジアで達成するには何が必要か」というテーマのもと、林川氏のジャカルタ地域事務所所長としてのご経験を踏まえ、東南アジアの教育の現状、喫緊の課題、課題解決のために必要な施策、ジャカルタ地域事務所における活動などについてお話しいただきました。
まず、林川氏は、東南アジア地域における教育の現状として、政府の教育支出が縮小していることへの危惧を示されました。また、東南アジアでは教育に関するデータが十分に記録されておらず、教育課題の特定や解決が困難になる危険性があることを指摘されました。次に、東南アジア地域における教育分野の喫緊の課題として、(1)学習貧困(Learning Poverty)、(2)情報格差(Digital Divide)、(3)気候の脆弱性(Climate Vulnerability)、(4)限られた資金(Limited Funding)の4点を紹介されました。さらに、課題解決のために必要な方策として、地球規模、地域間など様々なレベルで協力するためのメカニズムづくりの重要性を訴えられました。
また、2024年9月にタイで開催された第6回Asia-Pacific Meeting on Education 2030(APMED 6)における議論を踏まえ、(1)教育の変革的な力を解き放つための戦略的な行動を取ること、(2)SDG 4達成に向けた進展を加速するための変革的な行動を取ること、(3)教育への投資をより多く、より公平に、より効率的に行うことについて、具体的にどのような行動戦略が不可欠であるのかをご説明いただきました。
最後に、ジャカルタ地域事務所の活動として、若者に津波の危険性や防災意識、備えに関する知識を提供するとともに、インド洋地域の高校生の間で学びと協力のネットワークを育むことを目的とした「TSUNAMI UNITED」、若者の起業家精神を促進し、地元コミュニティの生計と遺産地を結びつけることで、文化および自然遺産への意識を高めることを目的とした「Creative Youth at Indonesian Heritage Sites」、インドネシアの大学生を対象に社会調査のスキル向上を支援する能力開発プログラム「UNESCO Youth as Researchers & Tanoto Student Research Awards(YAR-TSRA)」をご紹介くださいました。
講演後には、学生との活発な質疑応答や議論が交わされました。学生からの幅広い質問に対し、林川氏とUNESCO IIEPでご活躍されていた齋藤みを子氏が一つ一つ丁寧に回答してくださいました。
末筆ながら、本セミナーを実施してくださった林川氏、学生からの質問に快くお答えくださった齋藤氏、そして貴重な機会を提供してくださった小川啓一教授に、心より感謝申し上げます。
文責:横川野彩(博士前期課程2年)